睡眠薬・睡眠導入剤・安定剤の違いと種類 不眠の時にどう使い分ける?

睡眠薬・睡眠導入剤・安定剤の違いと種類 不眠の時にどう使い分ける?

日本人の5人に1人は不眠であると言われています。そんな時代ですので、あなたも病院を受診して睡眠薬などのお薬を処方してもらったことがあるかもしません。

でも、その時に処方されたお薬について、きちんと理解している方は意外と少ないです。

実際、鍼灸師としてご縁のある患者さんたちの多くが睡眠薬や安定剤を飲まれている反面、それらの薬に関する知識はほとんど持っていないという印象を受けます。

今回は、そういったあいまいな知識を整理していただくために、

  • 睡眠薬・睡眠導入剤・安定剤の違いとそれぞれの不眠への効果
  • 睡眠薬・睡眠導入剤にはどんな種類があり、どれくらい体に作用するものなのか

といった点について、詳しく掘り下げていきたいと思います。

※今回掘り下げるのは、病院で処方される睡眠薬についてです。薬局で買える市販の睡眠薬については、こちらの記事でまとめていますので、そちらをご覧ください。

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睡眠薬・睡眠導入剤・安定剤の違いと不眠への効果

まず、睡眠薬・睡眠導入剤・安定剤の違いについて整理するために、こちらの図をご覧ください。

睡眠薬・睡眠導入剤・安定剤の違い

この図を見ても分かるように、睡眠剤・睡眠導入剤・安定剤は、

  • 睡眠薬・睡眠導入剤
  • 安定剤(正式名称は抗不安薬)

の2系統に分類することができます。

これを踏まえたうえでそれぞれの特徴を簡単にまとめてみました。

睡眠薬

睡眠作用の強い薬の総称です。どの様に睡眠作用を及ぼすかによって、5つの系統に分かれます。

不眠への効果
短時間・長時間など効果時間や種類がさまざまあり、広い意味では睡眠導入剤も睡眠薬の一種です。

病院で処方されるのが基本のため、効果はどれも高いですがデメリットとして副作用が起きる場合があります。

睡眠導入剤

睡眠薬のうち、作用が短いものを指します。正式なカテゴリー分けでは、睡眠薬の一種となります。

不眠への効果
不眠の症状の中でも寝付きが悪い、なかなか眠れないといった「入眠困難」な症状に効果を発揮します。

反面、途中で起きてしまって眠れないという症状への効果は乏しいです。

安定剤

正式には、「抗不安薬」と呼ばれています。睡眠薬にも使用されるベンゾジアゼピン系の薬で、こちらはどちらかというと「抗不安作用」が強い種類の薬です。

不眠への効果
不眠に対する薬ではありませんが、元となっている成分が睡眠薬と同じであること、また「不安を取り除き眠りやすい環境をととのえる」という効果があるので不眠の原因がメンタル的な要素が強い場合によく用いられます。

睡眠薬のうち最高濃度到達時間と作用時間(半減期)の短いものが睡眠導入剤

睡眠薬と睡眠導入剤の違いをもう少し掘り下げると、最高濃度到達時間作用時間(半減期)という概念が関係してきます。

最高濃度到達時間とは
薬を飲んでから効果が最大に発揮されるまでの時間のことです。服用後どれくらいの時間が経過した時に血中の薬の濃度が一番高くなるかを知るための指標です。
作用時間(半減期)とは
最高濃度に到達したタイミングから、どれくらいの時間を経て薬の濃度が半分になるかを知るための指標です。薬の効果が弱まるタイミングを知ることで、どれくらいの作用時間があるかを知る目安になります。

睡眠導入剤とは、睡眠薬のうち最高濃度到達時間と作用時間(半減期)の短いものを指します。つまり、寝つきを良くするための薬であって、眠り続けるための薬ではないということですね。

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睡眠薬・睡眠導入剤の種類と作用時間について

次に、睡眠薬と睡眠導入剤の5つの系統の違い(機序や強さ)現在の主流について整理していきたいと思います。

睡眠薬や睡眠導入剤は系統によって異なるメカニズムを持っていて、それぞれの系統ごとに効果の出方や副作用の出方に特徴があります。ご自身が処方されている睡眠薬がどの系統に属するかを確認することで、どんな特徴を持った薬なのか理解しやすくなります。

睡眠薬・睡眠導入剤の種類~5つの系統~

ベンゾジアゼピン系睡眠薬
  • ハルシオン
  • レンドルミン
  • ロヒプノール
  • ベンザリン

などがベンゾジアゼピン系の睡眠薬に属します。ベンゾジアゼピン系は一番オーソドックスな系統の睡眠薬で、効果・デメリットともにそこそこで使いやすく、多くの薬が販売されています。そのため、厳密には特徴も薬ごとに異なります。

超短時間型のハルシオン、短時間型のレンドルミン、中時間型のロヒプノール・ベンザリンなどが有名です。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
  • アモバン
  • マイスリー
  • ルネスタ

など。こちらはベンゾジアゼピン系から発展したタイプの睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬では、催眠作用の他に筋弛緩作用があり、めまいなどを起こすことがあるので、この副作用を軽減するために生まれたのが非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬になります。

ただし、こちらのタイプの睡眠薬は超短時間型のものしか存在しません。夜中起きてしまう中途覚醒の症状でお悩みの方には、向かないでしょう。

メラトニン受容体作動薬
  • ロゼレム

メラトニン受容体作動薬は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは異なった経路で眠気を誘発してくれるタイプの薬です。

強制的に眠気をもたらすベンゾジアゼピン系睡眠薬・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べ、メラトニン受容体とよばれる「私たちが夜になると眠くなる自然な眠気」を創りだしてくれる部分に作用するので、依存性や長期服用による耐性のつきにくさが魅力です。

ただし、残念ながら劇的な効果も望みにくいので、酷い不眠の人にはあまり向かないかもしれません。

オレキシン受容体拮抗薬
  • ベルソムラ

こちらは、メラトニン受容体作動薬の逆のパターンのようなお薬です。

オレキシン受容体とよばれる部分は覚醒を担当していて、この受容体にオレキシンという物質が結合すると覚醒するという作用があるのですが、その結合を邪魔して覚醒しづらくするというのがオレキシン受容体拮抗薬の働きになります。

ただし、全く効かないという人もいるため、相性によるところが大きいタイプの薬です。

バルビツール系睡眠薬
  • ベゲタミン
  • ラボナ

など。こちらは、睡眠薬としてもっとも古いタイプのものです。

過去、「睡眠薬=命の危険がある、依存性の強い危ない薬」というイメージはおそらくこれらの薬から来ていると思われます。というのも、副作用として寝ている間に呼吸が浅くなる・止まる症状や、不整脈が起こるといったものが散見され、依存性・薬剤耐性がつきやすいのがこのタイプの特徴だからです。

眠らせるという効果自体はこれまで紹介したなかで最も強い系統ですが、これらの危険性から現在ではほぼ使われることがなく、発売中の薬も徐々に販売終了の流れになっています。

ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用時間

睡眠薬・睡眠導入剤のうち、現在の主流はベンゾジアゼピン系非ベンゾジアゼピン系となっています。ですので、恐らく病院で睡眠薬を処方されているとしたら、この2つのどちらかの系統に属する薬を受け取っていると思います。

主なベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の最高濃度到達時間と作用時間(半減期)を一覧にしておきますので、ご自身が飲まれている薬と照らし合わせてみてください。

どれくらいの時間で効果が出て、その効果がどれくらい持続するのかという点を理解しておけば、薬を飲むタイミングを間違えることもなく、翌朝に薬が残ってしまうという副作用も最小限にとどめることが出来ると思います。

最高濃度到達時間が2時間以内で作用時間(半減期)が5時間以内のもの
  • ハルシオン
  • マイスリー
  • アモバン
  • ルネスタ

これらの薬は飲んでから早いタイミングで効き、効果の持続時間が短い部類に属します。ですので、睡眠導入剤としての働きが期待できる反面、中途覚醒の改善には不向きです。

最高濃度到達時間が3時間以内で作用時間(半減期)が10時間前後のもの
  • レンドルミン
  • サイレース/ロヒプノール
  • ロラメット/エバミール
  • リスミー
  • デパス

レンドルミン、サイレース/ロヒプノール、ロラメット/エバミールは最高濃度到達時間が2時間以内のため即効性がありますが、睡眠導入剤と異なり作用時間が長くなります(7~10時間)。寝つきが悪く、中途覚醒もしてしまうという方には向いている睡眠薬ですが、翌日起床する時間を計算して飲まないと、朝起きられないといった事態になりやすいので注意が必要です。

リスミー、デパスは最高濃度到達時間が共に3時間前後のため、飲んですぐに眠くなるという性質の薬ではありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ご自身が飲まれているお薬について、理解は深まりましたか?

今回は、処方薬に絞って色々と掘り下げてきましたが、市販の睡眠薬はまた違った働きをします。市販の睡眠薬に関しては、こちらの記事にまとめていますので参考にしていただければと思います。

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睡眠薬は、上手に使えば眠れないという苦しさから救ってくれるありがたい存在ですが、長期間継続していると耐性が出来てしまったり中毒性が出たりと、決して良い面ばかりではありません

規則正しい生活、きちんとした栄養補給、ストレスの上手な発散など、少しでも不眠を遠ざけるための工夫も合せてしていきましょう。

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