海外旅行に行く時、両替についてどうしたらいいのか迷いませんか?円安の昨今は、少しでもお得に、かつ安全安心に両替をしたいですよね。
でも、結論から言うと お得と安心の完全な両立は不可能 です。基本的にはどちらかを優先すればどちらかが犠牲になります。
ただし、この二つを割と高いレベルで両立する方法は存在して、現在私が海外旅行に行く際には必ず利用しています。それがこのキャッシュパスポート。
大学生時代に初めて海外旅行をした時、早朝のアテネの鉄道駅で恐喝(相手は麻薬中毒者でした)にあって以来、多額の現金を持ち歩くリスクは身に染みて感じています。
キャッシュパスポートは、空港で現金両替をするよりもお得でクレジットカードよりも安心なプリペイドカードなので、海外旅行に行く際はリスクヘッジも兼ねて1枚持っておいた方がいいカードです。
今回は、なぜキャッシュパスポートが最もバランスの取れた海外両替の方法なのか、その他の両替方法のメリットやデメリットはどんなものがあるのか、私の経験に基づいて解説しています。(各項目をクリックでページ内の該当箇所にジャンプします)
1.海外旅行の両替は国内空港と現地のどちらがお得なタイミングなのか
3.クレジットカード・キャッシュパスポート・現金の両替手数料を比較
4.クレジットカード・キャッシュパスポート・現金の安全性を比較
今回の記事は、色々な両替方法を詳しく比較しているので、海外に行かれる方はぜひ参考にしてくださいね!(ちょっとマニアックですが)
海外旅行の両替 手数料がお得なタイミングは国内?現地?
海外旅行に出かける時は、多くの方が日本円の現金を国内空港で現地通貨に両替していると思います。実際、シーズンになると空港の両替カウンターの前はいつも人でいっぱいです。
ですが、結論から言うと、現地で両替した方が手数料がお得なケースがほとんどです。
米ドルやユーロといった、超メジャーな通貨の場合は日本の空港で両替してしまった方がお得です。しかし、それ以外の通貨に関しては、基本的に現地で両替した方がお得になります。
これは、日本円とその国の通貨の、どちらがメジャー通貨か?という点が関わってきます。
マイナー通貨になればなるほど流通性が悪くなることから、日本の両替所もそういった通貨をあまり手元に置いておきたくないんですね。在庫を持っていたとしても、あまりその通貨に両替する人がいないのでその分手数料に上乗せせざるを得ないというわけです。
逆に、現地の両替所からすると日本円はそこそこメジャーな通貨です。そのため取扱量もそこそこあり、手数料が抑えられて結果的にお得になるケースが多いです。
ただし、安心・安全を考えた場合は国内両替もあり
手数料という点からのみ考えると、基本的には現地で両替した方がお得です。ですが、安全性や安心を求めた場合は、やはり現地の両替は不安な点も多いです。
特に街中の両替所などは、相手が日本人だと分かるとお札をごまかしたりといった行為が今でもあるようです。また、現地通貨を全く持たずに入国することに不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
そういった安心感・安全面を優先したい場合は、ある程度の金額を日本の空港で両替してしまった方が精神的に身体に良いと思います^^;
海外旅行の両替方法を比較!
ここまでは、日本円の現金を現地通貨の現金に両替する際のお得なタイミングについて説明してきましたが、海外旅行の両替方法は、現金⇔現金だけではありません。
私がこれまで利用してきた両替方法は以下の通りです。
- 現金同士
- クレジットカード
- キャッシュパスポート(海外専用プリペイドカード)
それぞれの特徴について説明していきたいと思います。
まず現金に関しては、先ほど説明したとおりです。
1つ目は、普通に店舗でのお買い物時に決済用として使用する方法です。
この方法が、手数料という点では一番お得です。
2つ目は、クレジットカードのキャッシング機能を使い、海外のATMで現地通貨を引き出す方法です。この方法も、かなりお得な手数料で現地通貨の現金を持てます。現地通貨の現金を持つという点からすると、手数料的に一番お得と言えます。
ただし、キャッシング(借り入れ)に抵抗感がある場合はおすすめしません。また、キャッシング枠が付帯していないクレジットカードの場合は、当然ですが海外ATMからの引き出しもできません。
この様に、クレジットカードは手数料的にかなりお得なので、海外旅行で使用する方はとても多いのですが、リスクも発生します。海外旅行時のクレジットカードのリスクについては後ほど説明いたします。
キャッシュパスポートは、事前に必要な金額をカードにチャージ(入金)しておき、そのチャージした分を海外で使用するという仕組みのプリペイドカードになります。
使用方法はクレジットカードと全く一緒で2つの方法があります。
1つ目は、お店でクレジットカードの様に決済に使えます。ただし、クレジットカードと異なり借り入れではないため、正確にはチャージしておいた金額から即座に使用分が引かれるということです。その意味では、デビットカードに近いですね。
2つ目は、海外ATMで現地通貨を引き出す方法です。こちらも借り入れではないため、チャージしてある金額から引き出すという感じです。その意味では国際キャッシュカードと同等の機能ですが、国際キャッシュ カードは銀行口座であるのに対して、キャッシュパスポートは銀行口座というわけではないんですね。あくまでプリペイドカードなので、とても簡単に作ることが可能です。
現金・クレジットカード・キャッシュパスポートを比較①手数料がお得なのは?
ここまで紹介してきた現金・クレジットカード・キャッシュパスポートですが、手数料が一番お得なものはどれか、使い方を含めてを比較していきたいと思います。
まずは、手数料がお得な順に順位発表です!
- クレジットカードでお買いもの
- クレジットカードによる海外ATMからの引き出し
- キャッシュパスポートでお買いもの
- キャッシュパスポートで海外ATMからの引き出し
- 現地で現金を両替
- 日本国内の空港で現金を両替
手数料に関しては、主観が入らないため順位が明確です。
非常に分かりやすい結果で、クレジットカード⇒キャッシュパスポート⇒現金という順番になっています。
クレジットカードが一番手数料がお得なのは、キャッシュパスポートの手数料は「クレジットカードのレートに4%分上乗せされたもの」であるからです。
ではキャッシュパスポートはお得ではないのでは?と思うかもしれませんが、実は現金同士の方がもっと手数料がかかるんですね。例えば10万円を日本の空港で両替するのと、キャッシュパスポートを使って現地ATMから現地通貨を引き出すのとでは、手数料がこれくらい変わってきます。
ちなみに、クレジットカード、キャッシュカード共に、店舗でそのまま利用する方がATMで引き出すよりもお得なのは、1回200円ほどのATM利用手数料が別途発生するからです。
現金・クレジットカード・キャッシュパスポートを比較②安心・安全なのは?
手数料のお得さという点からはクレジットカードの勝利でしたが、今度は安心感・安全面という点から比較した結果の順位です。
- キャッシュパスポートで海外ATMから引き出し
- キャッシュパスポートでお買いもの
- 日本国内の空港で現金を両替
- 現地で現金を両替
- クレジットカードで海外ATMからの引き出し
- クレジットカードでお買いもの
安心感・安全面に関しては、私の主観が入るのであくまで参考程度にしていただけると幸いです。
まず、先ほどの手数料お得ランキングと比較すると、順位がガラッと入れ替わります。
キャッシュパスポート⇒現金⇒クレジットカードの順番です。
キャッシュパスポートが安心な理由は、何よりプリペイドカードなので、万が一盗難に合っても銀行口座にある残高が全て引き出されてしまうというリスクがないためです。万が一スキミングに合った場合も同様です。
つまり、被害額を最小限度に抑えられる点で安心です。
また、紛失・盗難時に備えてスペアカードも事前に発行されているため、無くなってしまったカードからすぐに切り替えて使用でき、再発行を待つ必要がありません。クレジットカードや銀行口座と連動する国際キャッシュカードだとこうは行かないので、その点の安心感も大きいです。
店舗での利用が2位でATMでの引き出しを1位にしたのは、いつでも手元に現地通貨を持てるという安心感を加味しました。
3位、4位の現金での両替は、「言葉が通じる」「ぼられるリスクがまず無い」という点で国内で行う場合を上位としました。
国内での両替は、ある意味キャッシュパスポートより安心では?とも思いますが、仮に海外旅行に必要な費用を全て国内空港で両替したとすると、大金の現地通貨を持ち歩かなければいけなくなってしまいます。
その点からすると、必要なタイミングで必要なだけ現地通貨を引き出せるキャッシュパスポートに軍配があがるかなという感じです。
私自身はキャッシュパスポートをメインで利用
手数料もそこそこお得で何より安心感が強いので、私は近年はもっぱらキャッシュパスポートを利用しています。使用すると分かりますが、お得と安心の二つの要素のバランスが一番いいです。
現地の空港ついて入国審査を行ったら、そのまますぐに空港内のATMに直行して2~3日分の現地通貨を引き出します(引き出しは簡単ですが、不安な方のために海外ATMシミュレーションまでついます)。
この流れが定着しているので、ここ数年、日本円の現金から現地通貨への両替は全くしなくなりました。
発行は無料ですし、銀行口座ではなくプリペイドカードなので年齢制限もなく、審査も必要ないため学生でも簡単に持つことが可能です。ただし、発行までに1週間かかる点だけ注意して下さい。申し込む場合は、余裕を持って申し込みましょう。
クレジットカード派、現金派の方も、キャッシュパスポートにいくらか入金して持っていくといいです。実際に使うか使わないかは別として、海外旅行をする上でのリスクヘッジになりますよ。
最後にクレジットカードです。
クレジットカードのリスクについては、次章でまとめていきたいと思います。
海外旅行でクレジットカードの盗難やスキミングのリスクは?
安心感・安全性の順位でクレジットカードが最下位な理由は、盗難・紛失とスキミングのリスクを無視できないからです。
海外旅行でのクレジットカードの盗難・紛失リスク
日本人旅行者が海外旅行をした際、約8.6%の方が何らかのトラブルに巻き込まれているという調査データがあります。そして、その75%が盗難・紛失というトラブルで、被害額はなんと155億円にも及びます。
クレジットカードの場合、盗まれたとしてもカード会社にすぐ連絡をすれば不正利用の被害を最小限に食いとどめることは可能かもしれません。
ですが、私が考えるクレジットカードの盗難・紛失リスクはそこではないんです。実際に海外でクレジットカードを紛失した経験があるのですが、大変だったのは再発行とそれに関わる手続きでした。
まず、再発行には時間がかかるので、旅行中の発行はほぼ不可能だと思った方がいいです(数カ月単位の長期旅行は別として)。
そして、盗難・紛失にあったクレジットカードが日本でもメインで使用しているものだったりすると、再発行後も大変です。
公共料金をはじめ、色々なサービスの自動引き落としをそのクレジットカードで行っていた場合は、一つ一つ再発行されたものに切り変えていかなければないので、非常に手間です。
海外旅行でのクレジットカードのスキミングリスク
また、クレジットカードには盗難紛失以外にもスキミングというリスクが存在します。
スキミングとは、カードのデータを不正に読み取られて複製され、不正利用されるという被害で、日本ではほとんど見られなくなったものの、海外では途上国を中心にいまだに増加傾向にあります。
不正利用場合の手続きも面倒ですし、カードを再発行する必要があるため、盗難・紛失時と同じような手間がかかってしまいます。
海外旅行で使用するクレジットカードは海外専門のものを用意する
上記の理由から、私は海外でのクレジットカード利用を控えています。今は多少の手数料を支払ってもいいので、プリペイド型のキャッシュパスポートの利便性を優先しています。
とはいえ、海外ではクレジットカードは信用の証であることも確かです。その意味で、使う使わないは別として、クレジットカードを海外旅行に持って行く価値は充分にあるとも考えています。
なので私は普段日本で使用しているものとは別に、海外専用のクレジットカードを作って持っていく様にしています。年会費無料のクレジットカードは沢山あるので、海外専用のものを作っておくと便利です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
私はメインをキャッシュパスポート、サブをクレジットカードという感じで2枚持ち(厳密にはキャッシュパスポートはスペアカードが発行されるので3枚持ち)しています。
現金同士の両替は、帰国時に余った現地通貨を日本円に戻すときくらいです。
どの方法を行うかはそれぞれの価値観次第なのですが、いざという時に選択肢は多い方がよいです。用意だけはしておくことをおすすめします。