トイレに行くと、いつもトイレットペーパーに血が付く…。
もしかして痔なのかな…と思ったまま、放置してはいませんか?
トイレットペーパーに血が付く原因として考えられるのは、痔だけではありません。
まずは原因をしっかりと理解して、取れる対策を取っていきましょう。
1.トイレットペーパーに血が付く原因
1-1.痔が原因の出血
1-2.便秘によるカチカチ便が原因の出血
1-3.排便後の擦り過ぎが原因の出血
1-4.大腸ガンが原因の出血
2.定期健診はしっかり受けよう
2-1.大腸ガンの検査はとても簡単
トイレットペーパーに血が付く原因
痔が原因の出血
痔の中でも、
- 切れ痔
- イボ痔
になると排便時に出血をする場合があります。
切れ痔の特徴
切れ痔の特徴は痒みや痛みが伴う点で、慢性的に便秘や下痢を繰り返して肛門周囲が切れてしまうことが原因で起こります。
また、強くいきみ過ぎることによっても、同じく切れ痔の症状が起こる場合もあります。
切れ痔になると、トイレットペーパーに鮮やかな赤色の血がつきます。
ただし内痔核(肛門の内側にできる痔)が裂傷を起こしている場合には、痛みなどの自覚がなく黒っぽい出血が見られる場合もあります。
イボ痔の特徴
イボ痔になっている部分には血管が集まっているため、いきんだだけで吹き出すように出血する場合があります。
こちらも出血は鮮明な赤色の場合が多いですが、内痔核は痛みを感じずに時間が経ってから出血するため、赤黒い血になる場合もあります。
痔が原因で出血が続くなら手術が必要な場合も
慢性的な切れ痔で肛門が狭くなっていたり、肛門ポリープがある場合には手術が必要なケースもあります。
痔にならないためには、運動や水分補給、食事の工夫などで便通を整えることが大切です。
また、いつもトイレが長く、何十分もいきみ続けるような行為は痔になりやすいので、短時間で終える習慣もつけましょう。
便秘によるカチカチ便が原因の出血
女性のおよそ半数以上は、便秘に悩んでいると言われる統計もあります。
そして、便がカチカチに硬くなると、排便時に肛門が裂けて出血してしまう可能性があります。
ですので、トイレットペーパーには鮮やかな色の赤い血がついています。
慢性的な便秘が痔や肛門掻痒症の原因に
慢性的に便秘をしていると、傷が治らないうちにまた切れることを繰り返して、最終的に切れ痔となってしまいます。
また強烈にかゆみを伴うなど、肛門掻痒症の症状が出る場合もあります。
便秘が原因の痔なら早めに乙字湯を
痔に効く漢方薬の乙字湯も、「便を柔らかくして便秘を解消しつつ痔を治していく」というコンセプトなので、それだけ便秘と痔の関係は深いです。
- 便秘が原因の痔に悩んでいる
- 便秘がちなので痔になってしまうのが怖い
という場合は、早めに乙字湯を試してみてはいかがでしょうか。
関連記事⇒痔に効く漢方!乙字湯の効果と副作用について女性に便秘が多い理由
女性の多くは、男性よりも乳酸菌や野菜を摂取するといった努力をしていますよね。それなのに、どうして便秘になってしまうのでしょうか?
その理由として考えられるのが、男女のホルモンの違いです。
女性の体は生理周期のホルモンバランスの変化の影響を受けて、排卵期から次の生理までの黄体期には、卵巣が水分を必要とするため大腸から水分が失われてしまいます。
そのため、野菜や水分摂取などに気を配っていても、黄体期には便秘がちになります。そして、生理が始まると排便がスムーズになるケースが多いです。
月のリズム以外にも、女性の場合は腸の動きが不活発で、便が腸を移動していかないケースも多いです。腸の周辺を温めながら時計回りにマッサージして、腸を刺激することで便秘が改善する場合もあります。
女性は男性よりも便秘になりやすいという自覚を持ちつつ、水分補給や腸内環境の正常化、生活リズムを整えるといったケアをしていきましょう。
場合によっては、お薬や漢方薬を使うなどの対処も有効です。
排便後の擦り過ぎが原因の出血
おしりを拭くことは、幼少期でもない限り、あまり人から教えてもらったりすることはありませんよね。
そのため、実はお尻の拭き方には個人差が大きく、中にはトイレットペーパーがポロポロになるまで、ゴシゴシと強くこすってしまう方もいます。
そして、この排便後の擦り過ぎが原因で、出血を伴う場合もあります。
強く擦ることが慢性化すると肛門掻痒症のリスクも
トイレットペーパーでゴシゴシと擦るのが当たり前になっていると、肛門掻痒症を起こす場合があります。
肛門掻痒症とは、様々な原因で肛門周囲が痒くなってしまう症状です。
関連記事⇒肛門がかゆい原因は痔?ほかの病気?薬で治るものなの?肛門掻痒症にまでなると、少しでも便がついていると非常にかゆくなるため、まだ汚れている気がしてさらにゴシゴシ擦ってしまうという悪循環に陥りがちです。
強く擦ると肌のバリア機能も低下するので、さらにかゆみを伴う負のスパイラルに陥ってしまいます。
血が出るほど擦るのは明らかに肛門に負担がかかっている証拠ですので、これまで意識したことが無かったら、これを機に改めましょう。
ウォシュレットを利用して拭く摩擦による負担が軽減されるように工夫したり、お肌に優しい肌触りのトイレットペーパーを選ぶといった工夫をしていきましょう。
大腸ガンが原因の出血
割合としてはごく少数ですが、大腸ガンの可能性も考えられます。
大腸は沈黙の臓器とも呼ばれていて、大腸ガンはかなり進行するまで自覚症状が出ないケースが多いです。
発見が遅れて手遅れになるケースも多いので、血便の兆候を見逃さないように注意が必要です。
大腸ガンの血便の特徴
ガンが結腸の右側か左側かで症状や特徴が異なる
それと共に、便通異常や腹痛を起こしやすくなる特徴もあります。
ですから、ガンが結腸の右側に出来ると、発見しにくいのです。
痔や肛門掻痒症に比べれば大腸ガンになることは稀ですが、見逃さないように気を付けていたいものです。
定期健診はしっかり受けよう
深刻な病気のサインを見逃さないためには、普段から便秘や痔などをしっかりと治しておくことが必要です。いつもトイレットペーパーに血がつくのが当たり前になっていると、本当の怖い病気のサインを見逃してしまいかねません。
大腸ガンは、初期に発見すれば生存率は95%と高い数値です。自覚症状があるのに、なんとなく見過ごしてしまったり、怖がって検査をしないとどんどん事態が悪くなっていきます。
女性のがんの死亡原因の1位は大腸ガンですから、定期検査を怠らないようにしましょう。
大腸ガンの検査はとても簡単
市区町村などの地方自治体の健康診断もありますし、現在は通販で大腸ガン検査キットも市販されています。
【定量型】郵送大腸がん検査キット(便潜血検査・2日法) ・自宅で簡単・大腸がん健診キット・1週間程度で結果をお届けする大腸ガン検診キット・陽性/陰性だけでなく便中の血液濃度を数値で測定。
女性は特に検査に行くのが嫌な人が多いのですが、一番最初の健康診断や検査キッドの段階では、ごく少量の便を採取するだけです。最初から、お医者さんに肛門を見せるような、女性が恥ずかしいと思うような診断はありません。
地方自治体の大腸ガン検診も、自宅で便を採取する方法なはずです。小さな容器に、自分で便を採取するだけの簡単な検査ですから、気軽に検査をしましょう。
ただし、生理期間中は受けられませんので注意です。
地方自治体の健診でも年に何度かはチャンスがあるはずですので、お住まいの地域の健診日程をチェックしてみてください。
まとめ
トイレットペーパーに血が付く症状で、一番怖いのが大腸ガンです。
大腸ガンの場合は血の色や便の色そのものが他の症状の場合とは異なるので、ご自身の便や血の色が今回紹介したものと合致したら、早めに検査や診断を受けてください。
それ以外の場合も、慢性化すると痔や肛門掻痒症といった症状が定着してしまいます。
早め早めにケアをして、お尻をいたわってあげてください。
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