肌のシミが気になる方は、誰しも一度はハイドロキノンの使用を検討したことがあると思います。
ハイドロキノンは、肌の漂白剤という別名を持つほどシミへの効果も期待できる成分ではありますが、逆に言うと肌への刺激の強さから副作用も多く報告されている成分です。
ご自身の肌の強さをきちんと理解して使い方や濃度を管理しないと、こんなはずじゃなかった!といった副作用を起こしてしまうリスクが高まってしまいます。
今回は、ハイドロキノンの副作用リスクについて触れつつ、副作用を回避するための正しい使い方や濃度、商品の選び方といった内容でまとめています。
1.ハイドロキノンの副作用一覧
1-1.使用してすぐに表れる副作用一覧
1-2.継続して使用することで表れる副作用一覧
2.副作用を防ぐハイドロキノンの使い方
2-1.パッチテストを必ず行う
2-2.いきなり広範囲で使わない
2-3.保湿はしっかりと行う
2-4.ハイドロキノンは一番最後に使用する
2-5.保存方法を工夫して成分の劣化を防ぐ
2-6.ハイドロキノン使用時は日焼け(紫外線)には特に注意する
2-7.シミが無くなった後も長期にわたって使用しない
2-8.妊娠中は使用を避ける
3.ハイドロキノン使用時に守るべき濃度は?
3-1.皮膚科で処方してもらう場合
3-2.市販のクリームを使用する場合
4.市販されている2%前後のハイドロキノンはこの2つ
4-1.ビーグレン
4-2.アンプルール
5.ハイドロキノン以外のシミ取りクリームの検討も
5-1.トラネキサム酸配合の医薬部外品
5-2.イビサクリームは顔にも使用できる
5-3.医薬部外品のオールインワンジェルもある
これからハイドロキノンを試してみたい方はもちろん、現在使用中の方も、副作用についてはしっかりと理解しておきましょう。
ハイドロキノンの副作用一覧
まずは、ハイドロキノンを使用することで発症リスクのある副作用を、
- 使用してすぐに表れる副作用
- 継続使用することで現れる副作用
に分けて掘り下げていきたいと思います。
使用してすぐに表れる副作用一覧
赤み(炎症)
ハイドロキノンを使用した際に炎症が起こると、塗った部分の肌に赤みが出ることがあります。炎症が起こってしまう理由としては、
- 肌が弱い
- ハイドロキノンが肌に合わない
- 濃度が高い
- ハイドロキノンが劣化(酸化)してベンゾキノンという毒性の強い成分に変わっている
といったことが考えられます。
この炎症に関しては好転反応と捉えられるケースもあり、一度使用を止めて赤みが落ち着いたタイミングで再度クリームを塗るということを繰り返すうちに、ハイドロキノンを塗っても炎症を起こさなくなるケースも多いです。
ただし、肌に合わない場合は塗るたびにひどい炎症を起こしてしまう場合もありますので、その場合は使用を中止してください。
熱
肌が熱を持つもの、炎症を起こした時に出る症状の一つです。特に、広範囲にハイドロキノンを塗った際に熱感を感じやすいです。
かゆみ(乾燥)
ハイドロキノンを使用すると、肌のバリア機能が一時的に低下します。バリア機能が低下した肌は保湿力が落ちるため、乾燥を招きます。かゆみを感じるのも、肌が乾燥してしまっていることが大きな原因です。
ニキビ(湿疹)
ハイドロキノンに対してアレルギーを持っていたり、肌に対する刺激が強すぎる場合は皮膚炎を起こす場合があります。また、肌の新陳代謝が高まるためにニキビや吹き出物のような形で表に出ることもあります。
その場合は、赤みや熱感が出た時と同じようにいったん使用を中止して、落ち着いたら再開して様子を見てみましょう。
継続して使用することで表れる副作用一覧
色素沈着
ハイドロキノンを使用して炎症を繰り返すと、その刺激がメラニン色素沈着の原因となる場合があります。
また、ハイドロキノンを使用することで肌は日光に対して非常に敏感な状態になっていますので、紫外線対策を怠ることも色素沈着の大きな原因となります。
白斑
ハイドロキノンはメラニン色素を作り出すメラノサイトそのものに対して働きかけるため、同じ個所に長期間使い続けるとその部分のメラニン生成が全く行われなくなり、白斑へとつながってしまうリスクがあります。
また、短期の使用であっても濃度10%などの高濃度ハイドロキノン使用する場合に、白斑を引き起こしてしまう可能性があります。
しわ
色素沈着の項目でも触れましたが、ハイドロキノン使用中は紫外線に対して敏感になりますので、いわゆる光老化もしやすくなります。色素沈着(シミ)以外にも、しわやたるみといった光老化の影響を受けやすくなるので注意しましょう。
胎児への影響
ハイドロキノンのメラノサイトへの作用は、見方によっては細胞に対する毒性作用とも言えます。そういった作用を持つ成分が皮膚から経皮吸収され、母体の薬物に対して敏感な胎児へと届く可能性は否定できません。[/su_service]
副作用を防ぐハイドロキノンの使い方
上で挙げた副作用は、ハイドロキノンの使い方次第である程度は防ぐことが可能です。逆に言うと、間違った使い方をしてしまうことで副作用がひどく出てしまうことになります。
ここからは、注意すべきハイドロキノンの使い方についてまとめていきたいと思います。
パッチテストを必ず行う
まずは、自分の肌にハイドロキノンが合うかどうかのパッチテストを行います。パッチテストをする際は手首や肘の内側、二の腕といった、皮膚の薄い箇所で行う必要があります。
絆創膏の内側にハイドロキノンのクリームを塗って、24時間貼り続けて反応を確認しましょう。その際に強い赤みが出ていたり、皮膚炎などの反応が出ている場合は、顔への使用は避けた方が無難です。
いきなり広範囲で使わない
パッチテストで問題がなかったとしても、使用する際はシミなどの気になる箇所限定で使用することが肝心です。(特に濃度が高い場合)シミがない皮膚にまで塗ってしまうと、炎症などの副作用が起きてしまった時にかなり痛々しい印象になってしまいます。
顔全体のメラニン色素対策や美白効果を狙って使用したい場合は、まずは一番気になるシミに対して試してみて、ご自身の肌に対するハイドロキノンの反応を確認してからにした方が無難です。
特に、目の周りといった顔の中でも皮膚が薄い部分に関しては、慎重に行うようにしましょう。私の母は、目の下のシミに使用して赤みが出てしまいました。
保湿はしっかりと行う
副作用の項目でも触れましたが、ハイドロキノン使用中はバリア機能が低下して乾燥しがちになります。保湿ケアは普段よりも念入りに行うようにしましょう。
ハイドロキノンは一番最後に使用する
保湿ケアを行う際の注意点です。ハイドロキノンクリームを使用する際は、化粧水や乳液、クリームといった保湿ケアの後、一番最後に使用することが肝心です。
そうしないと、ハイドロキノンが顔全体に広がってしまいます。全ての保湿ケアを終えた後、気になる箇所だけにハイドロキノンを塗るようにして下さい。
保存方法を工夫して成分の劣化を防ぐ
ハイドロキノンは非常に不安定で酸化しやすい成分です。酸化するとベンゾキノンという成分に変換し、肌にとっての刺激量が増加して肌トラブル、特に炎症へと発展しやすくなります。
特にクリニックで処方されるハイドロキノンは手作りされている場合が多いため市販品よりも不安定です。
使用期限は必ず守り、冷蔵庫で保管するようにしましょう。また、変色などが見られた際はもったいないと思わずに廃棄し、新しいものを使用するようにして下さい。
ハイドロキノン使用時は日焼け(紫外線)には特に注意する
色素沈着やしわ、たるみといった副作用を防ぐために、ハイドロのキノン使用中は普段以上に日焼け対策・紫外線対策を徹底する必要があります。
ハイドロキノンを塗るのが夜だけだとしても、朝はしっかりと日焼け止めを塗るようにしましょう。
シミが無くなった後も長期にわたって使用しない
1年以上同じ個所にハイドロキノンを塗り続けると、白斑のリスクが出てきます。また、白斑まではいかなくとも肌自体が弱くなってしまうリスクが高まりますので、できれば使用は半年以内に控えるようにしましょう。
妊娠中は使用を避ける
低濃度のハイドロキノンに関しては、新生児への目に見える影響は報告されていませんが、目に見えないところでどのような影響を与えているのかについては未知ですので、タバコやアルコールを控えるのと同様、妊娠中の使用は控えるのが賢明だというのが私の考えです。
妊娠中はホルモンバランの変化から、メラニン色素が沈着しやすくシミもできやすいためケアしたくなりますが、妊娠~授乳期に関してはハイドロキノン以外のシミ取りクリームを使用した方が安心です。
ハイドロキノン使用時に守るべき濃度は?
ここまで副作用を出さないためのハイドロキノンの正しい使い方について触れてきましたが、使用するハイドロキノンの濃度を間違えてしまうと副作用のリスクは一気に高まってしまいます。
ハイドロキノンを利用する際は、以下の濃度を基準にするようにしましょう。
皮膚科で処方してもらう場合
皮膚科で処方されているハイドロキノンは、4%であることがほとんどです。 医師の指導の下で使用する場合で4%というのが一つの目安です。
市販のクリームを使用する場合
個人輸入を利用すれば、皮膚科で処方される4%以上を超える濃度のハイドロキノンを購入することも可能です。ですが、医師の指導や診察なしで使用するわけですから、目安としては皮膚科の半分である2%前後のものを選ぶのが安心です。
また、ハイドロキノン以外に含まれる成分のことも考え、日本人の肌向けに開発・調整されたクリームを選択するようにしましょう。
市販されている2%前後の日本人向けハイドロキノンはこの2つ
4%の濃度のハイドロキノンを使用したい場合は皮膚科を受診するべきですが、2%前後の日本人向け市販品を使用したい場合は以下の2つの商品が信頼できるブランドです。
- ビーグレン
- アンプルール
どちらもメジャーなブランドですが、濃度や特徴がやや異なります。どちらもトライアルセットを発売していますので、市販のハイドロキノンクリームを試したい場合は両方取り寄せてご自身の肌に合う方を使用するようにしましょう。
ビーグレン
- ハイドロキノン1.9%配合
- アメリカの会社が開発したものを日本人向けにアレンジ
- 製造は日本
- Qusome(キューソーム)化ハイドロキノンを使用しているので肌への浸透力が高い
- トライアルセットは1,944円(税込)
ビーグレンの濃度は1.9%とアンプルールよりも低めですが、Qusome(キューソーム)化というドラッグデリバリーシステムを応用したカプセルに包まれているため、肌への浸透力が高まっています。
もともとはアメリカ人向けに開発されたものですが、日本人の肌に合わせて調整され製造も日本で行っているので、いわゆる個人輸入で購入する海外製品とは異なりますので安心です。
アンプルール
- ハイドロキノン2.6%配合
- 日本の会社が開発
- 製造も日本
- 新安定型ハイドロキノンを使用しているため劣化しにくい
- トライアルセットは1,890円(税込)
ハイドロキノンは2.6%と、ビーグレンよりも高めの濃度が設定されています。また、ハイドロキノンにBCDACという物質を合成した新安定型ハイドロキノンが主成分になっています。
そのため、通常のハイドロキノンよりも安定性が高まり(酸化による劣化がしにくい)、肌に対する刺激が抑えられています。
公式⇒アンプルール公式HP
ハイドロキノン以外のシミ取りクリームの検討も
皮膚科の4%、市販の2%前後という濃度のハイドロキノンを正しく使用しても、肌が弱かったり、肌に合わない場合は副作用が出てしまいます。
その際は、ハイドロキノン以外の成分を採用した美白クリームを試してみることをおすすめします。
トラネキサム酸配合の医薬部外品
化粧品の美白成分にはいくつか種類がありますが、個人的に効果を実感しておすすめなのがトラネキサム酸です。
トラネキサム酸は、資生堂のHAKUに使われていることで有名な美白成分ですが、私がトラネキサム酸の効果を実感したのはデリケートゾーンの黒ずみ用に発売されたイビサクリームでした。
黒ずみの正体とシミの正体はどちらもメラニン色素なので、メラニン色素にアプローチするトラネキサム酸はどちらにも効果があります。
関連記事⇒イビサクリームの生の口コミ!体験して分かった黒ずみへの効果イビサクリームは顔にも使用できる
資生堂のHAKUやハイドロキノンよりも価格が安いので、あまり知られていませんが顔用の美白クリームとしても実はコスパが良い商品なんですよ^^
有効成分としてトラネキサム酸だけでなくグリチルリチン酸も配合されているので炎症にも強く、日焼け後ケアにも使用可能です。
医薬部外品のオールインワンジェルもある
Simius(シミウス)はトラネキサム酸を主成分とした医薬部外品のオールインワンジェルなので、フルラインナップで化粧品をそろえるよりもコスパが良く、ケアが簡単で時短にもなります。
トラネキサム酸にはハイドロキノンのような肌の漂白作用は期待できませんが、メラニン色素の新たな生成を抑えてターンオーバーをスムーズにすることで、しみ・そばかすを防ぐ効果があるとされています。
ポイント用のクリームとして使うか、オールインワンジェルとして顔全体に使うか、ニーズに合わせて選択可能です。
まとめ
シミなどの色素沈着を消す効果は、やはりハイドロキノンが一歩抜けていますが、その分使用方法を間違えると副作用を起こし、場合によってはシミや色素沈着を促進してしまいます。
正しい使い方と濃度を守り、自分には合わないと思った場合はハイドロキノン以外の成分を使用するようにしましょう。