お酒だけじゃない!脂肪肝の2つの原因と改善のための対策とは?

お酒だけじゃない!脂肪肝の2つの原因と改善のための対策とは?

30~40代になると増えてくる仕事上のお酒の席、なんとなく気を付けているつもりでもついつい飲み過ぎてしまう毎日を送っていませんか?

健康診断の時期にちらほら耳にする脂肪肝。肝臓に脂肪がくっついているのかな?とよく分からないけど、なんとなく心配になりますよね。

私の鍼灸サロンにいらっしゃる方の中でも、特に40代の方を中心に脂肪肝について色んな質問を受けることが多いです。

今回は、

  • 脂肪肝の原因
  • すぐにでもできる対策
  • 既に脂肪肝を宣告されてしまった方でも健康な肝臓に改善するために役立つ内容

をご紹介していきたいと思います。

ちなみに、「私はお酒を飲まないから関係ないや」と思うなかれ。脂肪肝の原因はお酒だけではありませんので、普段お酒を飲まない方もチェックしておいてください!

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脂肪肝の原因は?やっぱりお酒?

まず、脂肪肝とは「 肝臓に通常よりも多く脂肪がたまっている状態 」のことを表す言葉です。

では、どうして脂肪肝になるのか?

その代表的な原因は大きく2つに分類できます。

脂肪肝の原因1
アルコールによる脂肪肝 = アルコール性脂肪肝
脂肪肝の原因2
生活習慣の乱れ等による脂肪肝 = 非アルコール性脂肪肝

それぞれ、詳しく掘り下げていきましょう。

アルコールが原因のアルコール性脂肪肝

アルコールが原因のアルコール性脂肪肝

アルコール性脂肪肝とは、アルコールの代謝メカニズムによって中性脂肪が蓄えられるために引き起こされる脂肪肝のことを表します。

お酒を毎日大量(日本酒換算で1日3合以上)に飲む習慣のある人は、このアルコール性脂肪肝になるリスクが高いです。お酒を飲み過ぎると肝臓に負担がかかるという、一般的なイメージ通りの脂肪肝ですね。

アルコール性脂肪肝を放置すると、一部の人は「アルコール性脂肪肝炎(ASH:アッシュ)」となり、肝硬変肝がんなどの重篤な病気に進行してしまう可能性もあります。

アルコール性脂肪肝が起こるメカニズム

そもそもアルコールは肝臓でを代謝されてエネルギーと脂肪酸という物質になるのですが、この脂肪酸は

  • 全身の必要なところに運び出されたり
  • 再び肝臓で代謝されて更にエネルギーを取り出しやすい物質に変換されたり
  • 肝臓でグリセロールと結合して中性脂肪となって保存されたり

します。

通常は、どんどん代謝されますが、アルコールを代謝している間は脂肪酸の代謝機能が低下するため、脂肪酸ばかりがどんどん溜まってしまうんですね。

ですので毎日大量のアルコールを飲む人は、この脂肪の代謝が常に滞ったままになってしまうため、中性脂肪の蓄積が進んで脂肪肝になってしまうというわけです。

これが、アルコールが原因でアルコール性脂肪肝になってしまうメカニズムです。

アルコール性脂肪肝のリスクが高まる飲酒量の目安

アルコールが原因で脂肪肝になってしまうメカニズムが分かったところで、アルコール性脂肪肝になる目安の飲酒量についても触れておきたいと思います。特に毎日お酒を飲まれる方はチェックしておいてください。

脂肪肝を引き起こす恐れのあるお酒の量は、

 毎日の摂取量がアルコール量にして60g以上 

といわれています。アルコール量60gと言われても分かりにくいと思いますので、各アルコール度数のお酒の種類別の目安を示しておきますね。また、それらのお酒を飲む際の1日の適量についても触れておきたいと思います。

ビール(度数5度)
  • アルコール60g=約5缶(350ml缶で)
  • 適量:中ビン1本分 500ml
日本酒(度数15度)
  • アルコール60g=約3合
  • 適量:1合
焼酎(度数25度)
  • アルコール60g=約2合
  • 適量:1合
ウイスキー(度数43度)
  • アルコール60g= 約3杯(ダブル60ml)
  • 適量:ダブル1杯

※これらの量はあくまで目安です。体質などによってアルコールの影響の大小は様々です。

これより少なくても脂肪肝になってしまう場合もありますので注意してください。

アルコールが原因ではない非アルコール性脂肪肝

アルコールが原因ではない非アルコール性脂肪肝

脂肪肝の原因はアルコールだけではありません。実は、お酒を飲む習慣が全くない人でも非アルコール性脂肪肝という脂肪肝になってしまう可能性があるんです。

非アルコール性脂肪肝は、主に

  • 過栄養・偏食などの食生活の乱れ
  • 運動不足

などが原因で発生し、この脂肪肝を診断された方の約9割の人が肥満脂質異常症高血圧症Ⅱ型糖尿病などの生活習慣病を併発していることからも生活習慣との関連が深い脂肪肝と言えます。

この脂肪肝は、約8割の人は単純性脂肪肝という進行の恐れがないものですが、2割の人が肝臓に炎症や線維化を伴う「非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)」というやや危険な病気になり、この内の約3割が10年で肝硬変肝がんなどの重篤な病気に進行します。

非アルコール性脂肪肝が起こるメカニズム

食生活の乱れや運動不足、過栄養により、消費する以上に摂取する栄養(主に、脂質や糖質など)が多く、過剰になった分が中性脂肪として肝臓に蓄積され続けると、非アルコール性脂肪肝を引き起こすリスクが高まります。

このような生活習慣は生活習慣病の原因にもなりますので、生活習慣病と非アルコール性脂肪肝は、とても高い関連性を持っています。

例えば、食事をして血糖値が上昇するとインスリンというホルモンが放出され、これが肝臓に脂肪をため込む働きを促します。早食いや大食い、甘いものなどを食べたり、肥満や2型糖尿病などでインスリンの効きが悪くなったりしている人は、インスリンの放出量が多くなるため溜めこむ脂肪の量も多くなり脂肪肝リスクが高まります。

ですので、

  • 甘い物や脂っこい食事やジュースなどの糖質の多い物の摂取が多い人、
  • 早食いや大食いの人、
  • 野菜が嫌いで偏食
  • 運動不足でエネルギー消費の少ない人

は要注意です。

非アルコール性脂肪肝になるリスクが高いため、生活習慣病まで至っていなくても脂肪肝になる可能性があります。思い当たる方はよく注意して、早めの対処を行ってくださいね。

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脂肪肝改善のために行いたい対策

脂肪肝は、原則として生活習慣の改善が根本的な治療となります。

生活習慣の改善は、治療でもあり、予防・対策にもなりますので、実際に病気になっていなくても取り組むことは健康維持に良いので、是非心がけてみてください!

脂肪肝と診断された方は、基本的には専門医と相談をして治療に望むことを推奨しますが、ここではあなた自身で行える対策をまとめていきますので、参考にしていただければと思います。

アルコール性脂肪肝の改善のための対策は禁酒!

アルコール性脂肪肝の改善には、ズバリ禁酒をする必要があります!

初期の軽い状態であれば、禁酒すれば比較的短い期間で治療を終え、再び気を付けながらお酒を飲む事ができるようになります。

では、どのように禁酒をしていくのか?

まず一定期間、例えば1週間で禁酒をして、健診を受けながら経過をみます。禁酒をし、再び健診を受けて、脂肪肝の状況を肝臓の数値などから確認します。

初期の軽い人の場合は、1週間の禁酒でも肝臓の数値に劇的な変化が出てきて、1ヵ月くらいの禁酒をすると殆ど回復する場合もあります。

進行している脂肪肝の場合は禁酒期間が伸びる場合がありますが、炎症などがない場合は健診毎に数値の回復が充分に見込めます。

正常機能に戻れば禁酒治療は完了です!禁酒を終えても、再び脂肪肝にならないようお酒は適量に控え、週に1~2日の休肝日を作るようにしましょう。

また、脂肪肝の状態をより早く改善するためには、非アルコール性脂肪肝の対処方法でもある食事療法と運動療法も有効です。脂肪をため込みにくい食習慣と適度な運動をすることで、脂肪の代謝を高めて脂肪肝を脱出しましょう!

非アルコール性脂肪肝の改善ための対策は食事と運動!

非アルコール性脂肪肝の場合は過食や運動不足などの生活習慣の問題が原因のため、原則として食事療法と運動療法を行い、生活習慣を改善していくことがそのまま対策となります。

食事療法については、食品を選んだりとなかなか手間がかかるものもありますが、ここでは、手軽に出来る方法をご紹介します!

脂肪肝改善のための食事療法のポイント
摂取カロリーを意識する
成人男性の一日の適度な摂取カロリーは1800kcalから2200kcalとされていますので、この範囲から少し下回る程度になるよう食事をしましょう。

ただし、特別に低糖質にした食品ばかり食べていると代謝機能などが正常に働かない事もありますので、普通の食事で量に気を付ける事をおススメします。

血糖値の上がり方に気を付ける
低糖質の物から食べ始めるのがポイントです。例えば、汁物や野菜(根菜などの糖質の高いもの以外)などの低GI値の食品(血糖値の上昇率が低い食品)から、よく噛んで食べ始めると、食事全体で血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

また、全体的によく噛みゆっくりと食事をすることも有効です。いきなりご飯などの糖質の多い物を食べると急激に血糖値が上昇するので、食べる順番や食べる早さに気を付けて食事をしましょう!

規則的な食事を心がける
バランスの良い食事を心がけ、一日の食事ルーティンを決めましょう。

食事のタイミングがバラバラになったり、朝や昼を抜いてどこかでドカ食いをするのはNG!タイミングは極力一定にし、エネルギーが必要にならない深夜や睡眠前の食事は避けるようにしましょう。

食事を抜いてしまうと、無意識に食事の量を調整して多くなったり、栄養素の吸収率が過剰になったりして、またしても血糖値の上昇を高めてしまいます。

食事療法に関しては、こだわる場合は栄養素の組合せなど様々ありますが、まずはこの3つを意識して食生活の乱れを改善していきましょう!

脂肪肝改善のための運動療法のポイント

適度な運動をすることで、日々の使用するエネルギーが増えます。また、運動の習慣が出来て筋肉量が増えることで代謝量がアップするので、日頃摂取している余分なエネルギーの消費と、溜めこんだ脂肪を効率的に使用するキッカケを作ることが可能となります。

どれくらい運動するか、状態により様々ですが、一般的に言う適度な運動の範囲で運動をし習慣化していきましょう。

軽く汗ばむ程度の運動、例えば、スイミング・ウォーキング・サイクリング等を週に4~5回、1日あたり30~40分行います。

注意点としては、早く結果を出そうと、激しい運動をするのは逆効果なのでNGです。激しい運動は肝臓に負担をかけてしまう上に中性脂肪の燃焼には効きにくいため、かえって逆効果になってしまいます。

また、ウォーキングは歩数を考えると買い物などでも時間や距離をかけることができますが、止まったり歩いたりを繰り返してしまうと効率的な燃焼につながりません。

ウォーキングに効果を求める場合は、目的地を決めて軽く汗をかく程度の速度を心がけましょう。

まとめ

アルコール性脂肪肝も非アルコール性脂肪肝も、脂肪肝の種類に関わらず両方の対処法を日頃から行うことで、

  • すでに脂肪肝になってしまっている方には改善効果が
  • なっていないけど心配な人にはは予防効果が

それぞれ期待できます。

脂肪肝は健康診断で見つかりにくいので、進行してから発見される場合もあります。健康診断に行き、数値に注意し、心配なら肝臓専門医に健診を依頼するようにするのが得策ですね。

脂肪肝のうちは何も症状もなく過ごすことができますが、放っておくと肝炎・肝硬変・肝臓癌などの恐ろしい病気になってしまうこともあるので、症状がないからと見て見ぬふりをするのではなく、早め早めの対策を行っていきましょう。

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