朝起きられない・夜眠れないといった睡眠障害の一つである起立性調節障害(OD)は、一般的に子供の病気(特に思春期の中高生に多く見られる病気)として知られています。
もしかしたら、子供の頃に起立性調節障害と診断されたことはありませんか?そして大人になった今、また似たような症状が出てきて、「再発したの?」と不安になってはいませんか?
実は、起立性調節障害は大人にもよく見られる病気なんです。実際、社会人で起立性調節障害と診断され、その治療に鍼灸を受けにいらっしゃる方も大勢いらっしゃいます。
今回は、
- 大人の起立性調節障害の原因
- 起立性調節障害の症状
- 病院を受診する際に何科を受診したらいいか
といった点についてまとめてみました。
起立性調節障害は大人もなるの?その原因は?
冒頭でも触れましたが、起立性調節障害は子供の病気として説明されることが多いです。小学校高学年から高校生ぐらいまでに発症し、その後大人になるにつれて症状がおさまっていくと言われています。
ですが、その後男性では3割、女性では5割の人が大人になっても症状が残ったという調査結果があります。
つまり、起立性調節障害子供の病気とは言い切れないものなんですね。
起立性調節障害の原因
そもそも、なぜ起立性調節障害になってしまうのでしょうか?
その主な原因は、自律神経の働きがうまくいっていないこと。
自律神経私たちの意識とは関係なく身体内部の様々な調整機能をつかさどってくれている神経ですが、交感神経と副交感神経の絶妙なバランスで働いています。そのため、なんらかの事情で自律神経がバランスを崩すと、心身のあらゆる箇所に不調をきたしてしまうんです。
自律神経の不調による低血圧
自律神経の乱れが影響を及ぼすものの一つに血圧があります。
自立神経の乱れによって低血圧になって血液がうまく循環しなくなるために、朝起きるとめまいがしたり、立ちくらみがしたりといった、起立性調節障害の症状が現れるというわけです。
ストレスが自律神経を狂わせる
思春期も自律神経のバランスは崩しやすい時期ですが、大人になっても仕事をはじめ様々なストレスを抱えこむわけですから、自律神経のバランスを崩す要因は非常に多い世の中です。
ストレスを感じている自覚のある方は要注意ですね。
チェック!こんな症状は起立性調節障害かも!
それでは、具体的にどんな症状が起立性調節障害を起こしている目安となるのでしょうか?
以下でチェックしてみましょう。
- 朝、身体がだるい。頭が痛い
- 無理に起きるとふらつく
- 朝はどうしても調子がでない
- 昼過ぎくらいからだんだんと調子が戻ってくる
- 夜はなかなか寝付けない
- 春・夏に症状が悪化し、秋や冬はそうでもない
- 症状が子供の頃からあった
とにかく朝が不調という症状が特徴的で、他人から見ると「夜更かしし過ぎて怠けているだけなのでは?」と見られてしまうことも多いです。
特に大人になり、一人暮らしになると誰も気に留めてくれることがないことから、自分で自分を「怠けている」と責めてしまいがちです。
あまりにも起きれない、朝がつらいと感じたら、起立性調節障害を疑ってみることが必要です。
起立性調節障害で病院に行く時は何科を受診?
大人になってから起立性調節障害で病院に行く時は何科を受診すればよいのでしょうか?
子供であれば、小児科にかかるのが一番よいでしょうが、大人の場合は何科へ行けばいいのか迷ってしまっているかもしれませんよね。
大人の場合は、自律神経系の病気に対応している科を受診することがおすすめです。
具体的には、心療内科あるいは循環器科などが代表的ですね。起立性調節障害かどうかがよくわからないという場合は、まずは総合的な内科を受診するのもいいでしょう。
また、大人の場合、起立性調節障害が再発している場合と、起立性低血圧症を発症している場合があります。
そして、後者の場合は治療方法などが異なってきます。
ですので、起立性調節障害かな?と思ったら、安易に自己判断をせずまずは病院に行ってみることをおすすめします。
まとめ
起きたいのに朝がどうしてもつらくて起きれない起立性調節障害。
ストレスによって自律神経のバランスが崩れがちな現代においては、決して子供だけの問題ではなく、大人も気をつけるべき病気です。
また、実は睡眠障害には様々な病気が隠れている可能性があり、起立性調節障害以外の病気が考えられる可能性も。
いくつかの病気の種類と特徴はこちらのページでまとめていますので、こちらもチェックしてみてください。
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