敏感肌の方にとって、自分に合う化粧品を見つけ出すのはとても難しく、同時にとても大切な作業ですよね。添加物や化学品は敏感肌に悪そうなので、なるべくならそういったものが含まれていないものを選びたいと思う方も多いと思います。
ですが、現在はオーガニックや無添加、自然派といった様々な規格の化粧品が世に出ているため、それぞれにどんな特徴や違いがあり、結局どれが自分に合った商品なのかという点まで理解している方は少ないのではないでしょうか。
今回は、混同しやすいオーガニックコスメと無添加化粧品の違いを理解したうえで、敏感肌の方がどのように使い分けていくのがいいのかといった点について、私なりの考えをまとめています。
5.オーガニックコスメで肌荒れが起きてしまうなら敏感肌用の無添加化粧品を
オーガニックコスメとは?その定義と得られる効果
オーガニックコスメについて掘り下げる前に、化粧品を3つに分類してみましょう。3つの分類とは、オーガニックコスメ・無添加化粧品・化学化粧品です。
上の図を見ていただくとイメージが沸きやすいと思うのですが、オーガニックコスメの最初の特徴としては、
- 石油由来の成分を排除(原材料は100%自然のものを使用)
が挙げれらます。いわゆる、脱ケミカルを実現しているという点ですね。
そのことを知らずにそういった商品を使ってしまうと、本来の意味でのオーガニックコスメの恩恵を受けることができなくなってしまうので注意が必要です。
それを防ぐためには、各国の認証団体が定めている基準を参考にして商品を選ぶこと。具体的な国際認証団体には、
- エコサート
- ネイトゥルー
- コスメビオ
- ACO
といったものがあり、それぞれ独自の基準を設けています。
一つ一つの団体の基準についてはここでは掘り下げませんが、多くの認証団体の基準に共通しているのが、先に挙げた「石油由来の成分の排除」に加えて、
- 使用されている植物原料の70~90%以上が有機栽培(オーガニック栽培)されている
- 動物成分の排除
といった基準になります。
ですので、本当の意味でオーガニックコスメを試したいならば、上記の国際認証機関から認定を受けている商品を選ぶか、各団体に共通する基準を満たしているかをご自身で確認したうえで商品を選ぶ必要があるということです。
オーガニックコスメで得られる効果とは?そのメリットとデメリット
あくまで上記で挙げた基準を満たした、本当の意味でのオーガニックコスメを選んでいるということが前提ですが、使用を続けることでどんな効果が期待できるのでしょうか?
メリットとデメリットに分けて触れていきたいと思います。
オーガニックコスメのメリット
オーガニックコスメのメリットは、肌本来の力を引き出して、根本的で総合的なスキンケアが可能だという点です。
敏感肌の方は、バリア機能が弱っているために肌本来の力を発揮することが出来ず、様々な肌トラブルを起こしています。ですので、肌が本来持つバリア機能を復活させるという目的には、オーガニックコスメは非常にマッチしていると言えますね。
一方でケミカルコスメの場合、敏感肌だけでなく各症状に合わせた効果を素早く実感しやすいですが、それらは対処療法的に症状を緩和しているにすぎません。肌の状態を根本から改善するわけではないので、使用を止めたり体調の変化によっても症状がぶり返してしまいます。また、症状が出ていない部分の肌に負担をかけてしまうというリスクもあります。
オーガニックコスメは、ケミカルの様にピンポイントな成分だけを合成して肌に与えるというコンセプトではなく、植物が自らを守るために備えている抗酸化力や殺菌作用などを利用しながら、肌が本来持つ治癒力や回復力を高めていくことをコンセプトにしています。
そのため時間はかかるものの、敏感肌を含めた肌を健康な状態に導くという点において、根本的で総合的な効果が狙えます。
オーガニックコスメのデメリット
一方で、オーガニックコスメの弱点は即効性を感じにくいという点です。
ですがこれは、効果の特性上仕方のない点かもしれません。実際、オーガニックコスメは肌にいいことは分かるんだけど、効果があまり感じられないといった口コミを見かけることも多いです。この点に関しては、オーガニックコスメの特性をよく理解して、長期的に取り組む必要があるということを理解しましょう。
また、全てのオーガニック材料が敏感肌に優しい成分かというと、実際はそんなことはありません。裏を返せば、人工的に手が加えられた成分ではないわけですから、ものによっては肌にとって刺激となるものもあります。
あるいは敏感肌に限らず、ケミカルコスメの長期使用で症状を抑えていた方がいきなりオーガニックコスメを使用することで、肌荒れなどのトラブルを起こすケースもあります。
こちらの点に関しては、後ほど「敏感肌の方がオーガニックコスメを使う場合の注意点」の項目の中で触れていきたいと思います。
無添加化粧品で無添加なのは指定成分のみ
さて、ここまでオーガニックコスメについて掘り下げてきましたが、無添加化粧品という言葉も非常によく耳にする言葉ですし、実際に敏感肌用の無添加化粧品は数多く発売されています。
無添加化粧品とはどんなもので、オーガニックコスメとどう違うのかという点をしっかり理解するために、もう一度先ほどの図を見てみましょう。
こちらの図からも分かるように、大きく分けると無添加化粧品は化学合成成分を使用するケミカルコスメに分類されるんですね。無添加と聞くと、石油由来の合成成分は使われていないと思われがちなので、意外に感じる方も多いのではないでしょうか。
では、無添加化粧品は何が無添加なのかというと、「アレルギー反応を起す危険性のある化学成分」です。いわゆる、指定成分と呼ばれるものです。この指定成分は102種類あるのですが、実際にはそれ以外の合成成分は無添加ではなく、普通に使用されています。
ただ、だからと言って「じゃあ、無添加化粧品はオーガニックコスメよりも肌に負担がかかるだろうから敏感肌には向いてないのでは?」という判断も正しくありません。
先ほども少し触れましたが、オーガニックがゆえに肌に負担がかかる成分もありますし、合成して肌への負担を調整しているからこそ傷ついた肌に優しくなっているというケースもあるからです。
大切なことは、肌の状態やこれまでにどんな化粧品を使用してきたのかという点を考慮して、オーガニックコスメと敏感肌用の無添加化粧品を上手に使い分けるということです。
敏感肌の方がオーガニックコスメを使う場合の注意点
では、実際に敏感肌の方がオーガニックコスメを使用する際は、どんな点に注意すればいいのでしょうか?4つの注意点を以下にまとめました。
日本人の肌に合わせて開発された商品を使用する
先ほども触れたように、オーガニックだからと言って全ての原材料が肌に優しい成分というわけではありません。特に、海外製のものは日本人向けに作られているものではないため、肌トラブルが強く出てしまうリスクも高まります。
そういったリスクを少しでも減らすためには、日本人の肌に合わせて作られた国産のオーガニックコスメを選ぶのが無難です。国産の商品であればトライアルキットを用意しているところも多いので、いくつか取り寄せて実際に体験してみるのが一番確かです。
多少の肌荒れや肌トラブルは本来の自分の肌の状態が出ていると理解する
こてこてのケミカルコスメからオーガニックコスメに切り替えた初期の頃は、肌荒れや乾燥といった肌トラブルが見られることがあります。
成分が肌に合わないことが原因の場合もありますが、実はケミカルな成分で抑えていた症状が表に出てきたというケースも多く見られます。これは肌断食に挑戦した場合などにも見られる反応です。
例えば、それまでのケミカルコスメが肌のバリア機能をこじ開け、強引に保湿成分などを肌に浸透させていた場合などは、使用を止めることで肌の乾燥を感じたり、そこから転じて吹き出物が出たりします。
また、シリコン配合のケミカルコスメの場合は、本来肌に有害なシリコンの作用で”一見”肌が保湿されているように感じがちです。そういった成分を長く使用していると、肌のバリア機能が低下してしまうのですが、その状態からノンシリコンのオーガニックに移行すると、やはり肌の乾燥を強く感じてしまうことがよくあります。
ですので、現在かなり「こてこて」のケミカルコスメを使用されている方の場合は、同じケミカルコスメでも敏感肌に対応した無添加化粧品を使用することで、肌トラブルを最小限に抑えながらオーガニックコスメに移行することが可能になります。
関連記事⇒肌断食の効果を高め、開始直後の症状悪化を防ぐための3つの対策オーガニックコスメで肌トラブルが続くようなら、いったん無添加化粧品をクッションとして使用する
この場合に使用したいのは、肌への刺激を最小限に抑えた敏感肌用の無添加化粧品です。
敏感肌用に作られた無添加化粧品はある意味オーガニックコスメよりも肌への刺激を抑えた作りになっていますので、敏感肌で起こりがちな乾燥や肌荒れを防いでくれます。
ただし、全ての無添加化粧品が敏感肌に優しいわけではないので注意が必要です。選ぶ際は、肌のバリア機能の低下が最小限に抑えられた敏感肌専用の商品を選ぶようにしましょう。
ファンデーションや日焼け止めもオーガニックを使用する
オーガニックコスメにチャレンジする場合は、ファンデーションや日焼け止めもオーガニックなものを選ぶようにしましょう。
なぜなら、一般的にケミカルなファンデーションや日焼け止めは、オーガニックの洗顔料では完全に落とし切るのが難しいからです。落としきれないファンデや日焼け止めの成分は当然肌にとって有害なので、そのまま化粧水・乳液などのお手入れをするわけにはいきませんよね。
かといって、ケミカルなファンデや日焼け止めをしっかりと落とすためには、ケミカルな洗顔料が必要になります。ケミカルな洗顔料というのは合成界面活性剤がふんだんに使用されているため、刺激が強いだけでなく肌にとって必要な油分などもごっそり取りきってしまう点が厄介です。
敏感肌の方の場合、肌が乾燥してものすごくつっぱた状態になってしまい、肌に対するダメージがとても大きくなってしまうんです。
この悪循環を経つためには、まずファンデーションや日焼け止めをオーガニックに変更する必要があります。
敏感肌でも使えるおすすめオーガニックコスメ
いくつか発売されている国産オーガニックコスメのうち、おすすめのラインナップをその特徴とともに挙げておきたいと思います。複数試しやすいように、トライアルキットが用意されているものを中心に選びました。
HANAオーガニック
- 日本人向けに開発された商品である
- エコサート基準をさらに厳しくした自社基準で作成されている
- 使用されている原料中、オーガニック比率はなんと96.4%以上
- 濃縮ローズとイランイラン、ネロリなどの6つの花精油が中心成分
- トライアルセットが用意されている
- ファンデ替わりに使用できる日焼け止めがラインナップに含まれる
特筆すべきは、植物原料のオーガニック比率が96.4%以上という点でしょう。国産のオーガニックコスメはいくつか発売されていますが、植物原材料のオーガニック比率は、HANAオーガニックが群を抜いています。
また、もう一つの特徴としては、成分にローズが含まれている点。ローズの香りには女性ホルモンの働きを高める働きがありますので、日々のストレスでホルモンバランスの乱れを感じやすい現代の女性には嬉しい配合です。
そして、ファンデーション替わりにも使用可能な日焼け止めがラインナップに含まれているのもHANAオーガニックの大きな特徴です。ウェアルーUVという美容液がSPF30・PA++の日焼け止めなのですが、この日焼け止めはピンク系とイエロー系のカラーが選べ、ファンデーション替わりに使用することが可能です。
ウェアルーUVはトライアルセットにも含まれていますので、HANAオーガニックのトライアルセット一式で洗顔からファンデーション、日焼け止めまでのオーガニックコスメ一式を試すことが可能です。
私は、肌断食に移る前の半年~1年近くの期間、HANAオーガニックを使用していましたが、そのおかげで肌断食チャレンジ後の一時的な肌荒れなどを経験せずに済んだと思っています。
関連記事⇒肌断食の効果を高め、開始直後の症状悪化を防ぐための3つの対策トライアルキットの価格も1,480円(税込)と良心的なので、オーガニックコスメにチャレンジしたいと思ったら、まずはHANAオーガニックから試してみるのが間違いないかと思います。
琉白
- 日本人向けに開発された商品である
- エコサート認証を取得
- 使用されている原料中、オーガニック比率は19.5%以上
- 月桃、海洋深層水が中心成分
- トライアルセットが1,000円以下で用意されている
琉白の植物原料オーガニック比率は19.5%以上ですので、さすがにHANAオーガニックの数字には及びません。ですが、エコサート認証はしっかりと受けていますので安心です。
主成分は月桃。月桃に含まれるカワインという成分がコラーゲンを分解する酵素の働きを阻害することで、肌のコラーゲンの減少を防ぐ働きが期待できます。
琉白には日焼け止め兼ファンデーションの役目を果たすクリームはありませんが、洗顔料・化粧水・クリーム・美容オイルの4点からなるトライアルキットが、990円という手軽な価格で試せるのは嬉しいですね^^
オラクル
植物原料のオーガニック比率は公開されていないものの、有機JAS認証を受けた自社農園で育てられた原料を使用しているのがオラクルです。オラクルの特徴は以下の通り。
- 日本人向けに開発された商品である
- 70種類の植物成分を配合
- トライアルキットは7種類7000円分が1600円と贅沢
- メイク落としもトライアルキットに含まれる
トライアルキットの7種類の中にはメイク落としも含まれるので、普段使いのファンデを変えられない方や変えたくない方に嬉しいですね。
1600円で7種類のラインナップが試せるので、かなりお得感のあるトライアルキットになっています。
オーガニックコスメで肌荒れが起きてしまうなら敏感肌用の無添加化粧品を
オーガニックコスメが必ずしも肌に優しいわけではないということはすでに触れましたが、使い始めに多少の反応は出ても長い目で見れば肌を根本から健康に導いてくれるわけですから、まずは上で紹介したオーガニックコスメのトライアルキットを試してみることをおすすめします。
ただ、そうはいってもあまりに反応が強く出てしまうと、続けたくても現実的に難しいと感じる場合もあると思います。その場合は、最終的なオーガニックコスメまでの”つなぎ”として、敏感肌用の無添加化粧品を使用しましょう。
無添加化粧品なのでケミカルな成分は使われていますが、逆に言うと敏感肌用に調整された成分が使用されているということですので、刺激はかなり抑えられています。
一般的なケミカルコスメは肌のバリア機能をこじ開けて有効成分を無理やり浸透させるため、敏感肌には向いていません。ですが、敏感肌用の無添加化粧品としてメジャーなディセンシアシリーズは、肌のバリア機能を低下させない(むしろ強化してくれる)成分が使用されているので安心です。
ディセンシアには3つのラインナップがありますので、簡単にそれぞれの特徴をまとめておきたいと思います。
ディセンシア つつむはベーシックなラインナップ
目的を「バリア機能を高めて乾燥を防ぐ」という部分に集約して、敏感肌の保湿と肌荒れを繰り返さないコンディション作りを目指すというコンセプトで作られている商品です。
ですので、他のアヤナス・サエルといった付加価値を持たせたシリーズよりもお値段もリーズナブル。トライアルキットの金額は1,470円とアヤナス・サエルとそれほど変わりませんが、その分用量は14日分と多めに設定されていますので、しっかり試せます^^
最終的にオーガニックコスメに移行したいと思っている方に、一番最初に試してほしい敏感肌用の無添加化粧品です。
ディセンシア アヤナスはエイジングケア機能が追加
- 自らコラーゲンを生み出す働きをサポートする
- 抗糖化成分が黄ぐすみの原因を取り除く
といった機能です。どちらも加齢とともに現れてくる悩みですので、敏感肌のケアとともにエイジングケアを行いたい場合はアヤナスという選択もできます。
アヤナスの場合は10日分となりますが、1,480円でトライアルキットが試せます。
ディセンシア サエルは美白機能が追加
美白にとっての天敵であるメラニン色素は、各種の刺激によって発生・沈着してしまいます。ですので、刺激に対して過敏な敏感肌はもともと美白ケアが難しいという特徴があるんです。
そういった敏感肌独特の弱点を補って、メラニン生成の予防からターンオーバーの正常化による素早い除去を促進してくれのが、サエルに追加された機能です。
こちらもアヤナス同様、トライアルキット10日分が1,480円で試せます。
まとめ
オーガニックコスメは、長いスパンで肌本来の健康な状態を取り戻すのにはとてもおすすめですし、最終的に肌断食などを検討している方にも抵抗のない選択肢だと言えます。
ただ、いわゆる「”本物”のオーガニックコスメかつ自分の肌に合ったもの」を探すのは結構難しいですし、使い始めてからも長い目で見て効果を実感していく必要があります。
必要に応じて敏感肌用の無添加化粧品をうまく併用しながら、ぜひご自身の肌に合うものを見つけてくださいね。
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