私は小さい頃、虫歯の多い子供でした。そのため歯医者さん通いは頻繁でしたし、今でも奥歯のほとんどは何らかのかぶせ物がされている状態です。
大人になって、定期的に歯石除去を受ける様になってからは比較的虫歯を防げるようになりましたし、最近になって虫歯菌を減らす歯磨き粉を使用するようになってからは、定期診断でも歯石や歯垢の残りを指摘されることも少なくなりました。
「やっと健康な歯をキープできるようになったかも♪」
そう思っていたのもつかの間、歯医者さんから「数年に一度はレントゲンでしか発見できない虫歯がないか調べた方がいいですよ」と勧められ、実際に撮影したレントゲンの結果が出た時、私のそんな気持ちは真っ逆さまに地に落ちることになったんです。
自覚症状も何もなかった1本の銀歯。その歯を支える骨、いわゆる歯槽骨が、かなり溶けて無くなってしまっていました。
今回は、そんな私の実体験に基づく体験談です。
もしも、あなたやあなたのお子さんが虫歯で、神経を抜くかどうかの判断を迷っているのなら、ぜひ参考にしていただければと思います。
20年以上前に虫歯の神経を抜いた奥歯のその後
今回問題となった歯は左の下の奥歯で、今から20年以上も前に虫歯のために神経を抜いた歯になります。
当時は子供ながら、「神経を抜いちゃうので痛くなくなるよ?」という親や歯医者の言葉に喜んだ記憶があります。
それから銀のかぶせ物をしたため(途中に確か1度くらいかぶせ物を変えた記憶があります)、かぶせ物の下の虫歯の状態を外側から確認することが出来ないことから、念のためレントゲンの検査を受けたというのが発見のきっかけでした。
レントゲンの結果、歯の根っこの周囲が黒く映っていて、「恐らくこの部分に炎症が起こっていて、歯槽骨という骨が少し溶けている状態だと思います。詳しい状態を知るにはかぶせ物を取り外した状態でCTを撮るしかありません。」という診断をされました。
そしてCTを撮ってもらった結果がこちらの写真です。
もう、自分の歯ながらこの写真を見た時はかなりの衝撃でした。。。
歯槽骨が少し溶けているどころか、歯の土台部分がほとんど空洞になってしまっています…。
自覚症状は全くなかった
ここまで歯槽骨が吸収(歯槽骨が溶けることを、歯槽骨の吸収と呼ぶそうです)してしまっているのに、歯の神経を抜いているため自覚症状はまったくありません。
虫歯の神経を抜いてしまったことで、歯の根っこの部分にひどい炎症が起こっていてもそのことに気づかず、歯槽骨の吸収がここまで進んでしまっていたんです。
炎症によって歯槽骨が溶けるというリスク
炎症による歯槽骨の吸収というと、一般的には歯周病菌による炎症が原因となるケースが多いです。その場合は、こちらの図の赤丸で囲った部分の歯槽骨が溶けだしてしまいます。
ですが、今回の私の場合はこのケースとは別で、歯の根っこの部分の炎症が原因で、歯の土台部分の歯槽骨がごっそり溶けている状態でした。イメージとしては、こんな感じですね。
なぜ歯の根っこの部分に炎症が起きたかというと、歯の神経を抜いてしまったことが原因と言われました。
実は歯の神経を抜くと、歯の根っこの部分に炎症が起こりやすいんだそうです。そして、通常ここまでの炎症が起こっていればかなりに激痛のようですが、神経を抜いているのでその炎症に気づかない。怖いですよね><
これが、ここまで症状を悪化させてしまった理由です。
歯槽骨の再生は可能?
ところでこの溶けてしまった歯槽骨ですが、今は専門の治療を行うことである程度まで再生を促すことは可能だそうです。
ただし、今回の私のケースでは歯を残したままの歯槽骨の再生は不可能だと言われてしまいました。
歯を残した状態での歯槽骨の再生療法は、先ほど図で紹介した歯周病菌による歯の周囲の歯槽骨が吸収してしまったケースで行われます。
ここまで来てしまった私の取れる選択肢
私の歯は、残念ながら気づいた時にはこんな状態だったわけですが、ではこの状態からどんな治療の選択肢を選ぶことが出来るのでしょうか?
歯医者さんにはいくつかの選択肢を示していただいたのですが、それらの方法はまず歯を残すのか?抜歯するのか?という2択に分けられます。
可能な限り歯を残すという選択肢
まず一つ目の選択肢は、可能な限り歯を残していくという保存療法です。
先ほどのCT画像を見ていただいても分かる通り、私の場合は歯そのものもボロボロ、歯の土台となる歯槽骨もかなりの部分が吸収されてしまっている状態なので、正直この先どこまで持たせることができるかは保証できかねると言われてしまいました。
いずれ抜かなければならない状態になるだろうけれども、それまで可能な限り歯を残していくという選択ですね。
結果的に私はこちらを選択したのですが、その場合の手順は
- まずは化膿している部分を消毒して炎症を抑える(何回か繰り返す)
- 炎症が完全に収まり、細菌がいなくなった状態で仮歯を作り、半年~1年後に再度炎症を起こしていないかをチェックする
といったものです。
炎症が再発せずに済めば歯を残せる期間も長くなるけれど、実際それがどれだけうまく行くかは「う~ん…。やってみなければ分かりません。」といった感じです。
場合によっては、吸収してしまった歯槽骨の自然な再生も多少は起こる可能性があるようですが、私の場合は歯槽骨が溶けて空洞化した部分に肉芽が形成されているらしく、それも無理。
とにかく、細菌が入り込むことによる再度の炎症をいかに防いでいくかということが、今後どれだけ長くこの歯と付き合っていけるかのポイントになるようです。
抜歯をするという選択肢
もう一つの選択肢は、抜歯をして義歯を入れるという方法です。実は、あまりの状態の悪さに最初はこちらの選択肢を勧められました^^;
今の私の歯の状態であれば、普通の歯医者さんなら抜歯を進めるらしいです。
ただ、私としてはやはり抜歯には抵抗があり。。。少しでも自分の歯を使えるのならば、なるべく抜きたくないという私の意思を尊重してもらった形になりました。
話がそれましたが、義歯を入れる場合はさらに3つの選択肢があって、
- インプラント
- ブリッジ
- 部分入れ歯
の中から自分に合ったものを選びます。
それぞれ一長一短がある方法で、この3つの違いについても詳しく解説していただいたんですが、その内容を詳しく書いてしまうと長くなってしまいますので、義歯についてはまた別の記事にまとめたいと思います。
ちなみに、仮に私が抜歯を選択したとしたら、インプラントを選んでいました。ただ、今の私の状態でインプラントをするためにはまず歯槽骨の再生に半年~1年くらいかけないと歯の土台部分が不十分なため実行が不可能なようです。
費用面においてもやはり高額ですので、ひとまず今回回避できてホッとしています。
ですので、これ以上歯の土台が侵食されないうちに抜歯をしてインプラントに踏み切るという選択肢も、決して間違いではありません。(というか、その選択をされる方の方が多いと思います)
虫歯の神経を抜くことのメリットとデメリット
さて、ここまでが子供の頃に虫歯の神経を抜いたことが原因で私に起こったことの顛末です。
最後に、虫歯の神経を抜くことのメリットとデメリットをまとめておきますね。
- 虫歯や知覚過敏の痛みが無くなる
- 神経自体が虫歯菌に侵された場合に歯から顎にかけて虫歯菌が侵食するのを防げる
- 歯の根っこが化膿して炎症が起こりやすくなる
- 炎症が悪化しても自覚症状がなく進行しやすい
- 炎症の影響で歯槽骨が吸収されてしまう
- 抜歯リスクが高まる
- 歯の代謝が行われなくなり、黒ずむ
- 歯がもろくなる
こうして見てみると、デメリットの方が大きく感じますよね。
神経を抜いた影響は、私の様に20年以上たってから出ることもありますし、神経を抜くという選択を簡単にしない方がよいのは確かです。
ただ、
- あまりにも激痛がある
- 神経の一部もしくは全部がすでに化膿してしまっている
といったように、虫歯の進行状況や症状によっては、やむを得ず歯の神経を抜くという選択肢を取らなければならないケースもあります。
まとめ
虫歯で神経を抜いたことが20年後にどんな影響を及ぼすかということを、今回まさに身をもって知ることが出来ました。
私の場合は運よく抜歯を避けることができましたが、実はレントゲンの結果を見た段階では、「CTを撮りたいけど、CTを撮るには金属のかぶせ物を外さなければいけません。神経を抜いているので歯がもろくなっていますから、その時の振動で歯が割れる可能性もあります。もしも歯が割れてしまったら、その時点で抜歯です。」と言われていました。
ちょうど、虫歯菌を減らすブリアン歯磨き粉を使い始めて半年くらいで、新しい虫歯や歯垢の付着を防げているという実感を感じていたタイミングだったので、まさか20年前のことが原因でここまで焦る事態になるとは思っていませんでした。
自分の歯が1本無くなってしまうかも!と思っただけで、かなりの恐怖感でした。
今は歯の神経を抜くことに慎重な歯医者さんも多いですが、それでも虫歯が進行してしまった場合はやむを得ず歯の神経を抜かなければならないこともあると思います。
今回私が痛感したのは、やはりそこまで虫歯を悪化させないこと、虫歯予防を徹底することの重要性です。
ブリアンなどの歯磨き粉はそれなりに高額ですが、虫歯になって歯医者さんに通ったり、将来的にインプラントにしたりする費用を考えると、投資するに値する金額なのかなと改めて思いました。
ブリアンからは待望の大人用ブリアンも出たことですし、一日でも長く自分の歯を守るために、これからも継続して使っていくつもりです。
関連記事⇒虫歯菌除去歯磨き粉ブリアンは大人にも効果あり?使用中の口コミ情報
オーラルケアTOPに戻る
健美ガーデンTOPに戻る