唐辛子入りの食べ物を食べると、汗が噴き出してきますよね。これは、唐辛子に含まれているカプサイシンという成分の働きです。
汗をたくさんかくとそれだけでダイエット効果が期待できるのでは??と思いがちですが、
- カプサイシンにはダイエットに効果がある!
- カプサイシンに脂肪燃焼効果はない!
という両極端な情報がネット上には氾濫しています^^;
一体どっちが正解なの?という疑問にお応えすべく、今回はそのあたりをすっきりと整理していきたいと思います!
1.唐辛子のカプサイシンに「直接的な」脂肪燃焼効果は無い
1-1.そもそも脂肪燃焼のメカニズムって?
2.それでも、カプサイシンにはダイエット効果がある!!
2-1.カプサイシンが中性脂肪の値を下げたという論文も
2-2.むくみやすい人にもカプサイシンは効果大!
3.脂肪燃焼を促進するには有酸素運動との組み合わせが効果的
3-1.カプサイシンの理想的な摂取タイミングは運動前!
3-2.おススメの有酸素運動の目安は?
3-3.本格的にダイエットしたいなら、筋トレも組み合わせるのが最強!
4.カプサイシンには食欲増進効果もあるので食べすぎに注意
4-1.カプサイシンを食べ過ぎると胃が荒れてしまうことも
5.ダイエットだけじゃない!カプサイシンに期待できる効果
5-1.生活習慣病の予防
5-2.育毛促進
5-3.便秘解消
5-4.冷え性改善
5-5.疲労回復
唐辛子のカプサイシンに「直接的な」脂肪燃焼効果は無い
まずは、カプサイシンに脂肪燃焼効果はあるのか無いのか?という点からです。
結論から言うと、カプサイシンには「直接的な」脂肪燃焼効果はありません。
※ここでいう「直接的な」脂肪燃焼効果とは、「カプサイシンを摂取するだけで勝手に脂肪が燃焼して、体脂肪や内臓脂肪が減少する」という状態のことです。
カプサイシン入りの辛い物を食べて汗をかくと、それだけで脂肪が燃えているような感覚になりますが、これ間違いだということです。
そもそも脂肪燃焼のメカニズムって?
「直接的」という表現を使ったので、「じゃあ間接的には効果があるの?」と思われるかもしれません。その点についても解説していきますが、その前にそもそもの脂肪燃焼のメカニズムについて、正しく理解をしておきましょう。
体に蓄えられた脂肪が燃焼されるまでには、ざっくりと以下のような過程を経る必要があります。
- 脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪が分解される
- 遊離脂肪酸として血液の中に放出される
- 遊離脂肪酸がエネルギーとして使われる
まず第一に、中性脂肪として体に蓄えられていた脂肪を遊離脂肪酸という形状に分解する必要があります。
そして、分解された遊離脂肪酸が血液の中に放出されることで、体の各部位でエネルギー源として使われます。
この一連の過程を経て、脂肪は消失します。
遊離脂肪酸にまで分解されても、エネルギー源として使用されなければ再び中性脂肪に戻ってしまいますし、遊離脂肪酸に分解されていなければ脂肪をエネルギー源として使用することはできません。
「脂肪が燃焼される」ためには、この一連の流れが全て行われる必要があります。
そして、カプサイシンを摂取するだけでは、この流れの全てが行われるわけではありません。それが、カプサイシンに「直接的な」脂肪燃焼効果が無い理由です。
それでも、カプサイシンにはダイエット効果がある!!
直接的な脂肪燃焼効果は無いものの、カプサイシンには「間接的な」脂肪燃焼効果は期待できます。
その効果とは、 中性脂肪を遊離脂肪酸に分解する作用の促進 です。
体内に入ったカプサイシンは中枢神経を刺激して交感神経優位の状態を作り出し、アドレナリンなどのホルモンを分泌させます。そして、分泌されたアドレナリンは脂肪分解酵素であるリパーゼという成分を活性化します。
リパーゼは中性脂肪を分解する働きのある酵素なので、エネルギーとして使用されやすい遊離脂肪酸にまで脂肪を分解してくれます。
つまり、脂肪燃焼のための一連の流れのうち、最初の項目を促進してくれる効果がカプサイシンには期待できるということです。
これが、カプサイシンが「間接的に」脂肪燃焼効果があるという理由です。
唐辛子を食べると汗が大量に出るのもアドレナリンの作用
ちなみに、唐辛子の入った食べ物を食べると汗が大量に出ますが、それは分泌されたアドレナリンによって毛細血管の血行が良くなるからです。
汗をかくことは老廃物の排出を促していることにもなるので、ダイエットやデトックス効果も期待できますね。
カプサイシンは血行を良くして心臓の動きも活発にしますが、血圧はあまり上げないという性質があるため安心して食べられる食材です。
むくみやすい人にもカプサイシンは効果大!
さらにむくみやすい人は、冷え性であることが多いです。
体が冷えやすい方は血行不良であるケースが多いのですが、血行不良が起きると老廃物がスムーズに送り出せなくなるため、余計な水分が体にたまりむくみの原因になりやすいです。
むくんでいると太っているように見えますし、実際水分で体重も増えます。
カプサイシンには体温をあげる作用や発汗作用があるので冷え性対策にもなりますし、血行が良くなるためむくみをデトックスしてすっきりとした体に向かわせてくれる効果も期待できます。
カプサイシンが中性脂肪の値を下げたという論文も
また、基本的には間接的な脂肪燃焼効果のあるカプサイシンですが、中にはカプサイシンの摂取で中性脂肪が下がったという論文も発表されています。
直訳すると、「ヒトの肥満・エネルギー代謝に対する新規カプシノイド治療の効果:薬理遺伝学的影響の可能性」といったところでしょうか。
この論文では、 1日に6mgのカプサイシン経口摂取を12週間続けた結果、おなかの脂肪が減った という報告がなされています。
6mgのカプサイシンって唐辛子だとどれくらい?
カプサイシンを食べるだけでこの結果はすごいのですが、よく読むと1日に6㎎と記載されています。
この1日に6㎎という量がどれくらいなのかを調べてみたところ、以下のような記載が農林水産省のHPに記載されていました。
日本で一般的に販売されているトウガラシの一種である鷹の爪1本(平均重量は約1 g)には、約1 mgのカプサイシンが含まれています。
つまり、論文と同じ効果を見込むには1日に鷹の爪を6本食べる必要があるということです。
この量を毎日食べるのは、正直大変だと思います^^;
カプサイシン入りのサプリメントを利用するか、次に紹介する有酸素運動との組み合わせで脂肪燃焼を狙った方が現実的かと思います。
脂肪燃焼を促進するには有酸素運動との組み合わせが効果的
「カプサイシン入りの食べ物を食べることでリパーゼの分泌が活性化され、中性脂肪が遊離脂肪酸に分解される」という一連の流れは、これまで見てきたとおりです。
ここまでがカプサイシンに期待できる働きで、脂肪を燃焼をさせるためには分解された脂肪をエネルギーに変えて消費する必要があります。
そして、エネルギー消費にうってつけなのが有酸素運動です。
それも、なるべく心拍数が上がりすぎない負荷が軽めの有酸素運動が最適です。少し楽なくらいの有酸素運動の方が、エネルギー源として遊離脂肪酸を燃やしてくれるからです。
カプサイシンがお膳立てしてくれたところで、いよいよ真打ちが登場するといったイメージですね^^
カプサイシンの理想的な摂取タイミングは運動前!
カプサイシンを摂取することで中性脂肪が遊離脂肪酸に分解され、有酸素運動によってエネルギー源として消費されるということは、カプサイシンの理想的な摂取タイミングは運動前ということになります。
ですので、唐辛子入りの辛い料理を食べた後に軽いウォーキングをしたり、少し本格的な運動をする前にカプサイシン入りのサプリを摂取したりすると脂肪燃焼効果は高まります。
できればこの時の運動時間は20分以上が望ましいので(脂肪の燃焼効率が高ります)、まとまった時間が取れる時は運動前のサプリメントを利用すると良いでしょう。さすがに運動前に毎回唐辛子を食べるのも大変だと思うので…^^;
カプサイシン入りスリムバーン公式HP
おススメの有酸素運動の目安は?
おすすめの有酸素運動は、
- エアロビクス
- ウォーキング
- ゆっくりした水泳
- ゆっくりジョギングする
などなど。
ポイントは心拍数を上げすぎないことで、目安としては呼吸をしっかりとしながら行える運動だと覚えておきましょう。
無酸素運動だけでは脂肪は燃焼されない
筋トレや短距離を全力疾走したりする運動は、典型的な無酸素運動となります。
無酸素運動をする際のエネルギー源は、基本的に糖質であるグリコーゲンから分解されたブドウ糖であり、遊離脂肪酸ではありません。
無酸素運動そのものでは体脂肪は燃えないという点は、しっかり覚えておきましょう。
本格的にダイエットしたいなら、筋トレも組み合わせるのが最強!
遊離脂肪酸を直接エネルギー源とするのは有酸素運動ですが、だからといって無酸素運動に意味がないわけではありません。
むしろ、無酸素運動と有酸素運動を組みわせることで、最強のダイエット効果が期待できます。
筋肉量が増えることで基礎代謝が高まる
筋トレに代表される無酸素運動は筋肉への負荷が高いため、継続することで筋肉量が増えます。
そして筋肉量が増えると、何もしない安静時に消費されるエネルギー量が増加します。つまり、基礎代謝が高まります。
基礎代謝が高まった体は、燃費の悪い高級車のようなもの。普通に生活しているだけでエネルギーの消費が激しいため、太りにくい身体だと言えますね。
先に無酸素運動を行うことで成長ホルモンの脂肪燃焼効果が期待できる
無酸素運動の効果は、筋肉量が増えることによる基礎代謝の向上だけではありません。
無酸素運動(筋トレ)を終えた後に有酸素運動を組み合わせることで、最強のダイエット効果を発揮します。
何故なら、無酸素運動のような激しい運動の後は成長ホルモンが多く分泌され、この成長ホルモンにも体内の脂肪を遊離脂肪酸に分解する働きがあるからです。
カプサイシンを摂取したり、筋トレを行ったり、あるいはその両方を行うことで、脂肪が燃えやすい状態に体を持っていくことができます。
そうすることで、その後の有酸素運動の脂肪燃焼効果が非常に高まるというわけです。
ダイエットのためにジョギングなどの有酸素運動を頑張っているなら、カプサイシン入りのサプリ摂取や筋トレを先に行うことで、効率よく痩せることが可能になります。
カプサイシンには食欲増進効果もあるので食べすぎに注意
ここまで見てきたように、唐辛子に含まれるカプサイシンにはダイエット効果が期待できますが、同時に注意すべき点もあります。
それが、カプサイシンの食欲増進効果です。
辛い物を食べてる時って「食欲が増して、どんどん食べられちゃう!」と感じることは多いと思います。夏、暑くて食欲が無い時でも、辛い物なら食べられるという経験も一度や二度ではないでしょう。
実は、カプサイシンの辛さは胃腸を刺激して、胃の働きを活発にしてくれるという働きがあるのです。
痩せるためにカプサイシンを意識したのに、ついつい食べ過ぎてしまっては元も子もありません。カプサイシンダイエットに取り組むなら、その点には気を付けてください。
カプサイシンを食べ過ぎると胃が荒れてしまうことも
またカプサイシンは胃の健康にも良いのですが、適量の場合です。食べすぎると、胃を荒らしてしまう原因にもなるので気を付けて食べましょう。
ダイエットだけじゃない!カプサイシンに期待できる効果
カプサイシンには脂肪燃焼や食欲増進以外にも、
- 生活習慣病の予防になる
- 便秘解消
- 冷え性改善
- 疲労回復効果
などの効果が期待できます。
生活習慣病の予防
唐辛子は塩分をあまり入れなくても味のアクセントになる調味料ですので、加えると塩分が少ない食べ物でも美味しく食べることができます。
結果、塩分の低いメニュー作りができるので、高血圧などの生活習慣病対策になります。
便秘解消
カプサイシンには腸のぜん動運動を促進する働きがあるので、たまった便をスムーズに排出してくれる効果が期待できます。ぽっこりしたお腹のダイエットにも効果的ですね。
ただし、痔の人は辛み成分が肛門を刺激するので、便秘であってもあまり多くは摂りすぎないようにしてください。
痔の場合は、漢方薬の乙字湯で便を柔らかくしながら痔のケアをすることをおすすめします。
冷え性改善
カプサイシンを摂取して血行が促進することで、万病の元である冷え性が改善されます。
また、血行が良くなることでむくみによる肥満にも効果的です。
先ほどの便秘解消効果も含めてどれも女性に多くみられる症状ですので、カプサイシンは女性に優しい成分といえますね^^
疲労回復
個人的にカプサイシンを摂取することで一番実感しているのが、この疲労回復効果です。
私の場合、ものすごく疲れている時は唐辛子入りの辛い料理を食べ、大汗をかいた後に仮眠をとるようにしています。
カプサイシンには、新陳代謝を活発にして栄養素を早くにエネルギーに変える働きがあるので、この方法でそれまでの疲れが嘘のように取れます!特に肉体疲労系に有効です^^
まとめ
唐辛子は、
- キムチ
- コチュジャン
- 豆板醤
- ラー油
- タバスコ
などなど、かなり身近な食べ物に含まれています。特に調味料に多く含まれており、味のアクセントに使用することが多いですね。
ダイエットだけでなく美容・健康全般的な効果が期待できるので、毎日の食卓に上手に取り入れていきたい食材です。