本当に危険?頭が良くなる薬スマートドラッグの種類と副作用について思うこと

今、頭が良くなる・集中力が上がる・やる気が出るといった理由で、スマートドラッグ(通称スマドラ)と呼ばれる薬が中学生・高校生・大学生の間で流行っていることをご存知でしょうか?

スマートドラッグに対しては、副作用などの健康被害があるから危険という意見と単なるサプリメントなので問題はないという2つの意見がネット上で交錯しています。

ここに来て、厚生労働省でスマートドラッグの個人輸入に規制をかける議論がなされていますが、批判や肯定をする前に

  • そもそもスマートドラッグとはどんなものなのか?
  • 本当に集中力が上がったりやる気が出たりするのか?
  • スマートドラッグにはどんな副作用のリスクがあるのか?
  • スマートドラッグと呼ばれているものは本当にすべて危険なのか?

といったことをきちんと理解しておくことが重要だと思います。

個人的な見解としては、本当に危険で規制が必要な「」と脳の栄養に過ぎない「サプリメント」は分けて考えるべきだと思っています。

何が危険で何が安全なのか、しっかりと見極める知識をつけましょう。

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スマートドラッグとは?

本来の狭い意味で用いられるスマートドラッグとは、脳の中枢神経系の疾患(てんかんやADHDなど)に対する治療薬として持ち入れられている薬の一部を、健常な人の学習能力を高める目的で使用される場合に使用されます。

そのため、俗に

  • 頭の良くなる
  • 集中力の上がる
  • やる気が出る

という言い方をされることが多いです。

元々は90年代にアメリカの大学生の間で流行したのが始まりで、ハーバード大学の学生の2割がスマートドラッグを利用していたとの調査結果も出ているほどです。

スマートドラッグとして利用される薬は、基本的に日本では医師の処方箋がないと購入することができません。ですので、本来の治療目的以外に該当する薬を購入することはできないのですが、同じ薬がアメリカでは普通にドラッグストアで売られていたりします。

そして、インターネットによる個人輸入が普及するにつれて、そういった「日本では処方箋が必要でもアメリカでは市販で買える」スマートドラッグが日本でも蔓延しだしたというわけです。

ここまでが、批判や規制の対象となるスマートドラッグと言えるかと思います。

広い意味では、脳に栄養を与えるサプリメントもスマートドラッグと呼ばれている

現在スマートドラッグと呼ばれているものの中には、上記で触れたような薬以外の栄養素も含まれる場合が多いです。

例えば、アミノ酸であるトリプトファンや不飽和脂肪酸であるEPAやDHAなどは、普通の食品に含まれる単なる栄養素です。神経伝達に関わるということでビタミンB群なども含まれる場合があります。

こういった成分は食品からも摂取できる栄養素ではありますが、脳にとってもとても重要な働きをするため、サプリメントとしても多くの商品が出回っています。

そして、脳にとって重要な栄養素という位置づけのため、広い意味でのスマートドラッグにはこういったサプリメントも含まれることが多く、薬の転用と同じレベルで批判されていることが多いのが現状です。

これも個人的な見解ではありますが、私としては食品からも摂取可能な栄養素であるサプリメントに関しては、批判と規制の対象からは外すべきだと思っています。

対象をこういった成分にまで広げてしまうと、睡眠サプリや青魚サプリといったものまでが悪者になってしまいかねません。

※ただし、一概にサプリだからOKとは言えない現実もあります。

例えば、睡眠改善や時差ぼけ解消のために使用する人が多いメラトニンは、アメリカではサプリメントの位置づけです。ですが、日本においてはサプリメントとしても処方薬としても認可されていません。

同じように、日本においては処方箋が必要な薬であっても、アメリカではサプリメントとして売られている成分も多く存在します。

逆に、血流改善効果が期待できるイチョウ葉は日本においてはサプリメントですが、ヨーロッパでは薬としての扱いになっています。

このように、国によって成分をサプリメントとして扱うか薬として扱うかの基準は異なります。

ですので、個人的には自分が日本人であることを踏まえて、

  • 日本でサプリメントとして認められているものはOK
  • 認められていないものはNG

という基準で判断したいと思っています。

本当にスマートドラッグで集中力が上がりやる気が出るのか?

スマートドラッグの効果としてよく知られているのが、集中力が上がったり、やる気が出るといった変化です。そして、その結果として試験勉強などがはかどり、テストの点数も上がるため、頭が良くなる薬と呼ばれるようになりました。

実際のところ、こういった効果は期待できるのでしょうか?

日本において処方箋が必要な薬の場合

医師の処方箋を必要とし、本来は特定の病気の治療薬をスマートドラッグとして流用する場合の効果については、私自身が試したことがないため断言はできません。

ですが、実際に使用した人たちの口コミを見る限り、「本人としてその効果を実感しているし試験の点数も上がった」という旨の声をよく目にします。

一方で、医師のコメントとして「いわゆるスマートドラッグを健常者が飲んでも、頭が良くなるといったことはない」という旨のインタビューをテレビで見たことがあります。

医師のコメントが、健康な人が処方薬を飲むことに対するけん制の意味を含んでいる可能性も否定できませんが、確かに薬は本来、病気のために低下してしまっている機能を元に戻すことを目的に作られています。

いわばマイナスをゼロに戻すことが薬の役目であり、ゼロをプラスに持っていく目的で作られてはいません。その意味で、薬をスマートドラッグとして飲んでも、期待するような効果を実感できない可能性はあります。

薬のそもそもの意味と人間のホメオスタシスの機能を考えてみると…

また、仮に一時的に効果を実感したとしても、人間の体にはホメオスタシスという恒常性を保つ機能が備わっているため、本来の状態ではない異常な状態は長く続きません。

例えば、薬で一時的に神経伝達物質の量を強制的に増やしても、「神経伝達物質の量が多すぎるな」と身体が判断して、その物質の身体からの自然な分泌がストップされます。(これを、負のフィードバック作用と言います)

ですので、仮に一時的に機能が上がったとしても、場合によっては薬が切れたら飲む前よりも脳の機能が低下してしまうというリスクは否定できませんし、実際に副作用としてそういった症状も報告されています。

日本においてもサプリメント(栄養素)として売られている成分の場合

薬の転用ではなく、栄養素の補給の場合はどうでしょうか?

まず、基本的にサプリメントは普段の食事で不足しがちな栄養素を補うことが本来の目的です。ですので、食生活の乱れによって脳に必要な栄養素がしっかりと摂れていない場合、脳は本来のパフォーマンスを発揮できない可能性があります。

そういった場合にサプリメントによって必要な栄養素を補給してあげることで、本来の機能を発揮しやすくなるということは期待できるでしょう。

また、仮に食事に気を付けていても、ストレスがかかりすぎると脳に必要な栄養素が必要以上に消費されてしまいますので、そういった場合にもサプリメントは有効です。

ただし、サプリメントによる効果は、それまで必要な栄養素が不足していたことで本来のパフォーマンスを発揮できなかった脳が、本来のパフォーマンスを発揮できるようになったに過ぎません

極端な話、空腹で頭が働かない時に血糖値を少し上げてあげると頭が働きます。これは脳のエネルギーが不足しているときにエネルギーを与えてあげた場合の例ですが、決して自分の能力以上の力が発揮できるわけではありません。

その分、薬と違って副作用の危険性もありません。

日本では処方箋が必要なスマートドラッグの種類と副作用について

ここまで、スマートドラッグは

  • 日本においては処方箋が必要な薬を転用する、狭い意味でのスマートドラッグ
  • 脳に必要な栄養素のサプリメントも含む、広い意味でのスマートドラッグ

の2つに分けて考える必要があるという、私の私見を述べさせてもらいました。

注意が必要なのは、薬を転用する狭い意味でのスマートドラッグですので、具体的にどんな商品や成分がそれに該当するのかをリスト化しておこうと思います。

厚生労働省の規制対象候補?スマートドラッグとして利用される医薬品一覧

  • ピラセタム
  • アーカリオン
  • ストラテラ
  • アシュワガンダ
  • バソプレシン
  • メチルフェニデート(リタリン)
  • モダフィニル
  • ピリチノール
  • ラサギリン
  • デスモプレシン
  • ミラセミド
  • ピカミロン
  • スルブチアミン

特にピラセタムに関しては、スマートドラッグ=ピラセタムと思っている方も多いくらい人気の医薬品のため、厚生労働省も狙い撃ちしてくる可能性がありますね。

日本では覚せい剤のため所持するだけで逮捕となるものも
  • アンフェタミン
  • アデラル

日本において覚せい剤という位置づけの薬も、海外では治療薬として使用されているものもあります。

そして、アメリカ国内で有名なのがアデラルと呼ばれる薬。元々は多動性障害の治療に用いられる薬ですが、なんとアメリカではアデラルをスマートドラッグとして利用している人数が530万人もいるらしいです。

ちなみにこのアデラル、本来の多動性障害の治療目的であったとしても、日本国内では所有しているだけで逮捕されてしまうので要注意です。

それを知らずに治療目的で家族からアデラルを送ってもらったアメリカ人の女性が、実際に逮捕されてしまうという事件も起きています。
http://newsphere.jp/national/20150303-4/

これらの類のものは、今回の規制を待つまでもなく個人輸入もは禁止されています。

飲み合わせによってさらに危険性が上がる可能性も

先ほど挙げたスマートドラッグのリストは、本来は薬として使用されているものであるため危険性が高いです。

単独で使用しても

  • イライラする
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 眠気

といった副作用が出る可能性がありますが、複数の薬を組み合わせることでそのリスクは高まります

その意味でも、やはり本来他の症状の薬として使用されているものに関しては規制が必要なのではないか、というのが私の意見です。

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実はサプリ?なスマートドラッグの種類とその効果

狭い意味でのスマートドラッグ、つまり本来は他の症状の薬として使用されているものは規制されていく流れが既定路線ですが、一方で単なる栄養素であるサプリメントに関しては規制の対象とはならないと思われます

逆に、今回の規制騒動によって、今後ますます注目を集めるのがこのジャンルのサプリメントなのではないかと感じています。

ここでは、不足すると脳の機能の低下を招いてしまう栄養素の種類と効果について、簡単にまとめていきたいと思います。

DHA&EPA(オメガ3脂肪酸)
DHAとEPAは、青魚に多く含まれる油として日本でも有名ですね。昔から、青魚を食べると頭が良くなるとはよく言われています。

その理由は、DHAが脳内で細胞の活性化や情報の伝達性を高める働きをし、EPAが血液をサラサラにして脳への血流アップが期待できるから。

両方摂取することで、相乗効果が期待できます。

ホスファチジルセリン
ホスファチジルセリンとは、私たちの細胞膜に存在するリン脂質の一種で、脳に最も多く存在します。細胞膜を柔らかくして、物質の交換や移動に大きく関わるため、不足すると特に記憶力に影響が出るといわれています。

サプリメントの原材料としては大豆が使われることが多いですが、そもそも大豆にもかなりの微量しか含まれていません。

加齢によって減少する物質なので、食生活の乱れよりも年齢に大きな影響を受ける物質です。

チロシン
チロシンは必須アミノ酸のフェニルアラニンを原料として作られる物質で、アドレナリンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の材料となります。

チーズやタケノコの根っこ部分に比較的多く含まれます。

また、余談ですがメラニン色素はチロシンを元に作られるため、摂取しすぎるとシミや黒ずみを生成しやすくなるため中板が必要です。逆に、白髪の方のためのサプリメントにチロシンが含まれているケースは多いです。

イチョウ葉
イチョウ葉はヨーロッパの一部では医薬品として認識されています。

イチョウ葉に含まれるギンコロイドという成分が、記憶力の増大ややる気のアップといった働きに関与します。

※イチョウ葉に関しては、現在日本ではサプリメントとされているものの、国によっては医薬品に指定されています。

コリン(ホスファチジルコリン)
コリンは、神経伝達物質の一つであるアセチルコリンの原材料となり、卵黄や大豆のレシチンに多く含まれる成分です。

コリンが不足すると記憶力や集中力が落ちると言われています。

DMAE
DMAE(ジメチルアミノメタノール)もコリンと同じく、最終的には神経伝達物質であるアセチルコリンの材料となる物質です。

魚のイワシに多く含まれる物質として有名ですね。コリンと同様に、記憶や集中力に関わる成分です。

※DMAEは日本では薬とされていませんが、アメリカにおいてはADHDの治療薬としても使用されています。そのため、もしかしたらDMAEも規制の対象となる可能性もあるかと思います。

トリプトファン
トリプトファンは必須アミノ酸の一つで、脳内で神経伝達物質のセロトニンやホルモンであるメラトニンに合成されます。

どちらかというとリラックス系に働く成分で、多くの睡眠サプリに含まれています。

グリシン
グリシンもトリプトファン同様、睡眠サプリに含まれることが多い成分ですが、記憶力の向上といった効果も期待できる成分です。
テアニン
お茶に含まれるアミノ酸であるテアニンは、リラックス効果や集中力を高める成分として有名です。

また、睡眠サプリに利用されることも多い成分です。

GABA
GABAは主にストレス下における抗不安作用やリラックス作用といった効果が期待できる成分で、発芽玄米などに多く含まれています。

こちらも、睡眠サプリにも利用されていることが多いです。

※睡眠サプリについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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ここまで見てきたように、脳の機能を助ける栄養素は数多く存在します。そして、それらの栄養素を含んだサプリメントも数多く製品化されています。

不足分を補うのが本来の目的のため、薬の転用ほど即効性と効果の強さは期待できませんが、その分副作用もありません。

ですので、おそらくこれらの栄養素は、今回の規制の対象とはならないと思われます。

今後のスマートドラッグは、これらの健康に害のない栄養素(ブレインフーズ)が主流になってくるのではないでしょうか。

副作用だけじゃない!薬やサプリメントを個人輸入するリスク

ここまで見てきたように、「得られる効果の大きさとその副作用が脳や身体に及ぼす影響」という意味では、薬の転用とサプリメントで大きな違いがあります。

ですが、仮にアメリカなどから個人輸入で商品を取り寄せる場合、そのどちらにも共通して考えなければいけないリスクが存在します。

薬やサプリメントの個人輸入で想定されるリスクとは?

個人輸入そのものが抱えるリスクとしては、以下の4つが分かりやすいのではないでしょうか。

  • 商品が偽物であるリスク
  • 製造や保管、輸送など、日本企業が絡まないゆえのリスク
  • 原材料の安全性に関するリスク
  • 容量が外国人向けに作られているリスク

こうして見ると、少しでも上記のリスクを減らし、安心してサプリメントを利用することを優先するなら、日本製のサプリメントを利用するのが一番だと思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

一言でスマートドラッグと言っても、全てが同じ種類でも同じカテゴリーでもありませんし、薬なのかサプリメントなのかによって危険度も全然変わってきます。

そのことを理解したうえで、「必要に応じて脳に不足がちな栄養素をサプリで補ってあげる」というのが、正しいスマートドラッグとの付き合い方だと私は思っています。

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