韓国で感染者が見つかり、急速に患者が増加しているMERS。
実はコロナウイルスの一種です。
種類は少し違いますが、同じコロナウイルスでも2000年代初頭に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)もMERSと症状が似ています。
今回は、このコロナウィルスについて、
- そもそもコロナウィルスとはどんなウィルスなのか
- MERSとSARSの違いとは
- 犬や猫のコロナウィルスについて
といった点をまとめました。
コロナウィルスとは?特徴的な症状は?
もともとコロナウィルスは自然界に存在し、哺乳類や鳥類に様々な症状を引き起こしてきました。
表面に突起があり、形状が太陽のコロナ(乱光散)のように見えることから、コロナウィルスという名前がつけられています。
今回のMERSや以前流行したSARSは、このコロナウィルスが変異したもので、人間に対して発熱、咳、呼吸が困難という症状を引き起こす新種というわけです。
MERSとSARSの違い
MERSはマーズコロナウイルスという新型のコロナウイルスが引き起こす重症肺炎です。
MERSとは中東呼吸器症候群のことで、中東地域、特にヨルダン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦といった国で大流行しました。
MERSに感染した人の生存率は60%ほどで、感染者約1000名のうち名370が犠牲になっています。
そのうち韓国人が100名以上を占めています。
症状は、発熱、咳、呼吸が困難になる重症肺炎です。
その他、下痢を引き起こすことがあります。
MERSに関しては、こちらを参照してください。
⇒MERSの症状と潜伏期間は?予防・治療法とワクチン情報も
SARSは、2003年にアジア、特に中国や香港で流行し拡散していきました。
日本語では重症急性呼吸器症候群と訳されていて、空気感染や飛沫感染が主な感染経路です。
SARSとMERSは同じコロナウイルスから発生したウイルスですから、感染したときの症状は非常によく似ています。
共に新型コロナウィルスであるMERSとSARSですので、症状に関しても非常に近いものがあるのですが、両者には当然違いもあります。
それは感染のしやすさと感染した時の生存率です。
SARSは非常に感染しやすいという特徴がありましたが、生存率は90%以上でした。
MERSはこれまでのところ、SARSほど簡単には感染しない様子です。ただし、感染した場合の生存率は60%程度と、かなり低下します。
猫や犬もコロナウィルスを持っている?
もともとコロナウイルスは猫も持っているウイルスで、感染している猫や犬も多く、免疫力があれば自然に治ってしまうものです。
ごくまれに猫伝染性腹膜炎にかかることがあるようですが、空気感染ではなく、排泄物から感染すると言われています。そうなってしまうと生存率は低く、猫の場合はほとんど助かりません。
犬も同様にコロナウイルスに感染することがあります。
有効なワクチンはなく、混合ワクチンで十分だと言われていますが、感染した他の犬のフンを食べて感染することが多いようです。
これらの猫や犬のコロナウィルスと、現在流行しているMERSコロナウィルスは別のものですで、必要以上に怖がる必要はありません。
まとめ
同じコロナウイルスでもSARSとMERSはウイルスの種類が違いますが、似たような症状が出るようですね。
現在はまだ外国での話ですが、日本上陸の可能性は非常に高いと思われます。
⇒MERS日本上陸の可能性は? 感染経路・感染力と韓国・日本の対応
MERSの場合、現在ワクチンは開発中ですが、生存率が低いので飛沫感染や接触感染には十分注意するようにしましょう。
⇒MERSコロナウィルスに感染しないための予防・対策と感染時の対処